ドル円、年初来高値を突破し、一時150円台後半へと急伸。約1年ぶり高値圏へ(10/27朝)

26日(木)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、年初来高値を突破し、一時150円台後半へと急伸。約1年ぶり高値圏へ(10/27朝)

ドル円、年初来高値を突破し、一時150円台後半へと急伸。約1年ぶり高値圏へ

〇ドル円、アジア時間の高値150.79から反落するも持ち直し、150円台前半(←訂正×149円台前半)での推移
〇米3QGDP、9月耐久財受注は予想を大きく上回るも、3QPCEコアデフレーターは予想下回る
〇ユーロドル、ECB理事会の金利据え置きで1.0523まで下落するも1.05台後半に持ち直す
〇ドル円、上位足から下位足まで全てのローソク足で強い買いシグナルが点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待が支えに
〇政府・日銀による為替介入は低ボラティリティの現状では困難か
〇ドル円相場の続伸(昨年高値151.95に向けて上値を伸ばすシナリオ)を予想
〇本日の予想レンジ:150.00ー151.25

海外時間のレビュー

26日(木)のドル円相場は堅調な値動き。(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)10/3に記録した直近高値150.16突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間午後にかけて、年初来高値150.79(昨年10/21以来、約1年ぶり高値圏)まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)政府・日銀による介入警戒感や、(5)短期筋の利食い売りが重石となり、僅か数分後に、安値149.90まで急落する荒々しい値動きとなりました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、海外勢参入後に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間10/27午前6時00分現在)では、150.37前後で推移しております。尚、昨日発表された米経済指標では、米第3四半期GDP速報値(結果4.9%、予想4.3%)、米9月耐久財受注(結果4.7%、予想1.2%)が力強い結果を示す一方、米新規失業保険申請件数(結果21.0万件、予想20.7万件)、米第3四半期PCEコアデフレータ(結果2.4%、予想2.6%)が冴えない結果を示すなど、強弱まちまちの結果となりました。

26日(木)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)欧州経済の先行き不透明感や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)ECB理事会での政策金利の据え置き決定(ECBは25年の歴史の中で最長となっていた連続利上げの打ち切りを決定→ECBによる金融引き締め休止の思惑→ユーロ売り)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0523まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米第3四半期PCEコアデフレータ(結果2.4%、予想2.6%)の市場予想を下回る結果や、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力、(6)短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0565まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/27午前6時00分現在)では、1.0559前後で推移しております。尚、ラガルドECB総裁は昨日、「ユーロ圏経済は弱いままであり、年内も同じような状態が続くだろう」「インフレは近いうちに低下するだろう」とのハト的な見解を示しましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は10/3に記録した直近高値150.16を突破し、約1年ぶり高値となる150.79(年初来高値)まで急伸しました。上位足(日足・週足・月足)から下位足(60分足・240分足)に至る全てのローソク足で強い買いシグナル(強気のパーフェクトオーダー、一目均衡表三役好転、ダウ理論の上昇トレンド)が成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます(オシレータ系インジケータに「過熱感=買われ過ぎ感」が出ていないことも、ドル円ロング構築の安心感に繋がる一因)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(米雇用統計、米CPI、米PPI、米小売売上高、米ミシガン大期待インフレ率、米GDPなど、直近で発表された主要経済指標は軒並み力強い結果)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(一部で日銀が今月末の会合で緩和修正に踏み切るとの思惑が広がっているが、当方は引き続き、現行政策の現状維持を想定)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う日米金利差拡大期待)、

(4)政府・日銀による為替介入のやりづらさ(政府日銀による為替介入発動の条件はドル円の水準感ではなく、ボラティリティを伴う円安進行であるため、現在のように低ボラ環境下での円安進行の場合は実弾介入に踏み切ることが難しい→事実、昨日は年初来高値を大幅に更新したにも係わらず、鈴木財務相による「緊張感をもって注視していく」との発言や、村井官房副長官による「為替は安定的な動きが望ましい」との発言に留まるなど、円安牽制トーンが軟化)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸(昨日記録した年初来高値150.79を突破し、昨年高値151.95に向けて上値を伸ばすシナリオ)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間21:30に発表される米9月PCEデフレータに注目が集まります(市場予想を上回る結果となれば、米国のインフレ懸念再燃→米FRBによる利上げ観測再燃→米長期金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル高・円安の流れに拍車がかかる恐れあり)。

本日の予想レンジ:150.00ー151.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、年初来高値を突破し、一時150円台後半へと急伸。約1年ぶり高値圏へ

ドル円日足

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