円安と日本株高はオーバーシュート(週報11月第三週)

来年にかけて円安

円安と日本株高はオーバーシュート(週報11月第三週)

ドル円:11月14日からの先週

主要6通貨に対するドル指数が2003年4月初め以来の水準となる101.48まで上昇。
米国債利回りが年初来の水準に上昇。
トランプ次期米政権への期待が背景と見ます。
ドル円は一時5月半ぶりの高値となる110.94まで上昇。

14日は、先週末の引けの106.66からギャップアップの106.86ではじまりました。14日の安値はこの早朝につけた106.73です。その後も一日中じりじりと上昇し、NY時間に入り、14日高値の108.54を付け、108.42でひけました。
背景は米トランプ次期政権への政策期待からの米株高と、米10年債利回りの一時2.2366%までの上昇が、ドル買いの継続のエンジンとなっています。

15日は、前日の引けの108.41で始まり、一時15ひの安値の107.76まで下げるものの、下値は限定的。海外時間に入り、一連の米経済指標が相次いで市場予想を上回り、12月米利上げ観測が一段と強まった事で、ドル買いが加速、14日高値の109.33まで上伸、109.19で引けました。

16日は、前日の引けの109.17で始まり、米長期金利の上昇から16日高値の109.75まで上昇。その後は米長期金利の上昇幅縮小に伴って、NY時間に入り、この日は一連の米経済指標が予想ほど良い結果ではなかったため、16日安値の108.79まで下押して、109.07で引けています。

17日は、前日の引けの109.07ではじまり、直後の朝方に一時108.55まで失速、これが17日の安値でした。
この後しばらく109水準で横ばいもみ合いでしたが、海外時間に入り買いが強まりNY時間に入ってもじりじりと上昇し17日の高値の110.17まで上昇し110.11で引けました。背景は、好調な一連の米経済指標と、上昇を続ける米長期金利であると想定されます。

18日は、前日の引けの110.11で始まり、昨日よりのドル買いの勢いのまま110.93まで上昇。その後一旦18日の安値の109.79まで下押しました。基本的にドル買いの地合いの中、ここから上昇に転じ、NY時間に入り18日高値の110.94まで上昇して、110.88で引けました。この日も結局110.11で始まり、110.88で引けと、切り上がっているのですが、その間ではN字の3波動を形成しています。

ドル円:11月21 日からの今週



CME通貨先物ポジション状況:11月15日時点
     (11月15日)    (11月8日)   (11月1日)
円       20676       31956       43160
ユーロ   ▲119182     ▲129314     ▲137385  
ポンド   ▲80313        ▲89845      ▲82961

シカゴIMM: 短期投機・投資家による円の買い持ち高は前週から更に減少し、円買い持ち高は6月来で最小となりました。
これまでのネット円い持ち最高水準は、2008年3月25日 +65,920、2004年2月6日 +64499、
過去最高ネット円売り持ち高は、2007年6月26日 -188,077

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
12.85←13.35日中最大13.74 VIX指数は下落しての引け。ダウは軟調地合いとなったものの、市場では先行きに対する期待感が意識され、リスク・オフ的な動きは強まっていません。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39

8日の米大統領選挙からまだ10日しかたっていないのに、ドル円で見ると、9日安値の101.18から18日高値の110.94まで
約10円近く上昇しています。
通常であればそろそろ過熱感などの心配が浮上するのですが、今回のドル上昇の勢いはまだまだ止まりそうにありません。
というのも、8日の米大統領選挙の日までは、今年は年初の1月29日に付けた年初来高値の121.69から、ずっと高値・安値を切り下げてきたからです。それだけ市場の方向性も、ポジションの傾きもそれなりの大きいものなので、そう簡単には買いへと方向転換は出来ないでしょう。
故に、この10日の10円の上げは、それ自体では短期間の急ピッチな上げなのですが、市場のショートカバーはまだまだで、ましてや、今後のトランプ次期米大統領の経済政策、財政政策を織り込んでの、新規のドルロングはまだまだこれからの様に思えます。

日本でも23日は感謝祭の休場です。日本休場の場合、ちょっとした悪材料の浮上でリスク・オフの円高仕掛けが活発化するパターンが多く、前週までの急激なドル高や円安には過熱懸念が高まっている中、反動揺り戻しに要警戒です。

日本に関しては、日銀による長期金利の上昇抑制策に注目です。先週は米国債金利の急上昇を受けた日本国債の金利上昇に対し、日銀が「指し値オペ」で無制限の国債購入姿勢を明示させました。結果として日本の金利上昇は抑え込まれ、米国など海外の金利上昇との対比で内外金利差が拡大。ドル円、クロス円での円安や、日本の株高地合いが維持されています。

来年に向けて世界的に金利上昇や中央銀行の金融緩和後退ムードが高まるとそうていします。
今後も日銀による10年債金利のゼロ%前後でのクギ付け政策が有効機能すれば、先行き内外金利差の一段の拡大が見込まれると同時に対世界での相対的な日本の金利低下は、日本株の魅力を高めていくものなので、先行き日銀の長期金利上昇抑制策には投機的な攻撃リスクや失敗リスクがあり、綱渡りが続くでしょう。それでも線週のように有効機能している限りは、来年にかけて円安と日本の株高はオーバーシュートしていくと想定します。




予想レンジは、109.00〜112.00 と見ます。

オーダー/ポジション状況

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