ユーロドルは続落を予想(週報2016年11月第三週)

トランプノミクスを先取りする「トランプ相場」は先週9日の米大統領選でのトランプ氏勝利から始まっていますが、

ユーロドルは続落を予想(週報2016年11月第三週)

ユーロ・ドル:11月14日からの先週

主要6通貨に対するドル指数が2003年4月初め以来の水準となる101.48まで上昇。
米国債利回りが年初来の水準に上昇。
トランプ次期米政権への期待が背景と見ます。
ユーロドル は11カ月ぶり安値となる1.0567まで下落。
ユーロドルの場合は、ドル買いと共に、来月4日のイタリア国民投票や来年の仏・独・蘭の選挙への政治的な懸念が、ユーロを下押しています。

14日は、前週末の引けの1.0858からギャップダウンの1.0830ではじまりました。14日の高値は直後につけた1.0840です。
トランプ次期政権への期待からのドル買い、米債券利回りの上昇からのドル買いが続き、ユーロドルは、子の高値の1.0840から14日安値の1.0708へ下落して1.0736で引けました。基本は欧・米金利差の拡大で、ユーロ売り・ドル買いが継続というポイントです。

15日は、前日の引けの1.0736で始まり、昨日の140bpもの下げに対するユーロは買い戻しの動きで、15日高値の1.0816まで上昇。その後は、2.18%から2.22%への米10年債利回りの上昇を受け、ドル買いの強い勢いが継続。ユーロドルは1.0816から1.0713まで下落して1.0722で引けました。

16日は、前日の引けの1.0722で始まり、東京時間は前日に続きユーロは買い戻しの動きで、16日高値の1.0759まで上昇。その後は、ドル買いの動きに振らされながら、基本は欧・米金利差の拡大観測からのユーロ売り・ドル買い地合い、ユーロ売り優先の地合いで、1.0759から16日安値の1.0665へ下落して1.0691で引けました。

17日は、前日の引けの1.0590で始まり、東京時間はこの日もユーロは買い戻しの動きで、17日高値の1.0759まで上昇。その後は、ドル買いの動きで、ユーロ売り・ドル買いとなり、1.0745から1.0619へ下落して1.0625で引けました。
NY時間に入り、一連の米経済指標が好調で、12月の米利上げ観測が強まりドル買いが加速しました。

18日は、前日の引けの1.0623で始まり、東京時間はこの日もユーロは買い戻しの動きで、18高値の1.0643まで上昇。その後は、1.0643から18日安値の.0568へ下落して1.0594で引けました。ECBのドラギ総裁が経済には依然緩和策が必要だとの見解を示したためユーロ売りが継続でした。ユーロドルは、1.06を維持できずに引けました。1.06を下っている限り中期的な下落基調に入った可能 性が高いと見ます。

ユーロ・ドル:11月21日からの今週

ポイント: ユーロドルは続落を予想しますが、ヘッジファンド勢が24日からの感謝祭休暇や、クリスマスを迎えポジションの整理に入ると想定され、要注意です。



CME通貨先物ポジション状況:11月15日時点
    (11月15日)  (11月8日)  (11月1日)
円      20676      31956     43160
ユーロ  ▲119182   ▲129314   ▲137385
ポンド  ▲80313      ▲89845     ▲82961

シカゴIMM:短期投機・投資家によるユーロの売り持ち高も前週から更に減少し。
過去最高の買い持ち高は、2007年5月15日 +119,538、
過去最高の売り持ち高は、2010年2月9日 -57,152

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
12.85←13.35日中最大13.74 VIX指数は下落しての引け。ダウは軟調地合いとなったものの、市場では先行きに対する期待感が意識され、リスク・オフ的な動きは強まっていません。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39

今週は、22日 に、ECBドラギ総裁の欧州連合(EU)議会での証言があり注目です。
そんな中でユーロドルは続落を予想します。

ドルはトランプ次期米大統領への期待から米国債利回りが上昇していて、先週10年米国債利回りは今年初めて2.3%に達しました。

欧州債利回りも上昇しているのですが、ECBが量的緩和策を継続している中では、どうしてもその上昇幅は限られていくでしょう。結果、欧・米金利差は拡大傾向にあると想定されます。

加えてユーロ圏には政治リスクがあり、ユーロの売り材料です。
12月4日にイタリアでは憲法改正の是非を問う国民投票が実施されます。
レンツィ首相が進めてきた憲法改正案、今のところは否決される可能性が高いとされます。
レンツィ首相は、もし否決された場合には、予てより首相を辞任すると述べています。
レンツィ首相の辞任は、イタリア政治が不透明になり、ユーロ圏の政治的不安定さが高まってしまします。

しかも今年は6月にまさかの英国の欧州連合(EU)からの離脱決定、
そして先の8日には米国のトランプ氏当選と、予想外の展開が多いのです。
実際にレンツィ首相が辞任となる場合には、ユーロには下押し圧力がかかると想定されます。

予想レンジは、1.0400~1.0700 と見ます。

予想レンジは、1.0400~1.0700 と見ます。

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