ドル一段高、昨年高値も薄っすら視界内に
〇本日ドル円、150.20で寄り付いたのち揉み合い、前日記録した150.32を上値に午前中は上げ渋る展開
〇その後上抜けすると150円半ばを超えて続伸、夕方には150.80近くまで上昇
〇早朝の150.30台への急伸を意識した円安けん制発言の影響はなく、欧米時間に実弾介入があるか要注目
〇本日はECB政策金利発表とラガルド総裁会見、米GDP統計速報、耐久財受注速報に要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.80-151.00
〇ドル高・円安方向は本日東京高値の150.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、150円レベルをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場はドルが一段高。とくに終盤にかけて上げ幅を拡大させると、一時150.80円近くも。
ドル/円は150.20円前後で寄り付いたのち、当初は揉み合い。前日記録した150.32円を上値に上げ渋る展開をたどっていた。しかし上抜けすると、そのまま150円半ばも超えてドルは続伸。政府要人などからの口先介入も聞かれたが意に介さず、夕方には150.80円近くまで上昇した。ただ、最終盤に若干不可解な下げが観測されると、16時現在では軟落した150.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制」と「中国情勢」について。
前者は、昨日のNY最終盤から本日早朝のオセアニア時間という、取引のもっとも薄い間隙を突いてドル/円相場が150.30円台まで一気に値を上げた。それを受け、のちの東京時間には鈴木財務相からは「緊張をもってしっかり動きを見ていく」、そして村井官房副長官からも「為替の過度な変動は望ましくない、政府として万全の対応をする」との円安けん制発言が発せられていたようだ。しかし効果は乏しく、むしろ発言後にドル高が進行した感すらある。このあとの欧米時間、果たして実弾介入出動など、さらなる「一手」に動くのか要注目だ。
対して後者は、ブルームバーグが、不動産最大手の碧桂園のドル建て社債について、事務手続きを担う金融機関が債権者に「デフォルトに該当する」と通知していた、と報じ思惑を呼ぶ。一方、そうしたなか習国家主席は、訪中している米カリフォルニア州知事やコロンビア大統領らと相次ぎ会談を実施。また、米財務省は中国との金融作業部会の初会合を行い、金融安定や監督・規制について協議したことを明らかにしている。なお、26-28日の日程で訪米する王共産党政治局員兼外相だが、ロイターは「27日にバイデン大統領と会う可能性がある」と報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、取引のもっとも薄い時間帯という間隙を突く格好で150.30円台まで一気に上昇。さらに、本日東京時間に続伸をたどると一時150.80円レベルを示現している。まだ1円強を残しているものの、昨年高値の151.94円が名実ともに視界に捉えられてきたようだ。ただし、前述したような東京時間終盤の「介入もどき」の動き、やや不可解な下押しが観測されているだけに、目先はドルの上値が再び重くなる展開を見込む声も聞かれていた。
市場は来週に予定されている日米の政策金利発表を注目するなか、昨日発表されたカナダ中銀の政策金利発表は予想通り「据え置き」。それを受けて本日発表されるECBの政策金利発表も、同じく「据え置き」予想が大勢を占めるが果たしてどうなるか。またそれ以外の要因として、本日は注目の米経済指標発表が相次ぐほか、中東地域への地政学リスクの高まりや中国情勢なども波乱要因になりかねないとして注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高トレンドが継続中。実際、本日東京で一時150.80円近くまで値を上げており、151円台乗せも否定できない状況だ。しっかり超えれば、昨年高値の151.94円が現実的な次の目標値として意識されかねない。
それに対して、ドルの下値もかなり堅く、東京時間の終盤にみられた「介入もどき」の動きでもドルの下落は限られた。余程のことでもない限り、基本的には149.40-50円に位置する移動平均の21日線では下げ止まりそうだ。
本日は米経済指標として、7-9月期のGDP統計速報や9月の耐久財受注速報などが発表されるうえ、本日はなんと言ってもECBによる政策金利発表やラガルド総裁の会見が予定されており、そちらに警戒心を抱く向きがある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.80-151.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値の150.80円レベルが最初の抵抗か。抜ければ151円乗せを目指す。
対するドル安・円高方向は、150円レベルをめぐる攻防にまずは注目。割り込むと21日線がターゲットになる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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