ドル円見通し 10月26日早朝に150.31円へ上昇、年初来高値更新(23/10/26)

ドル円は26日未明に150.04円をつけ、26日早朝には150.31円へ上昇して10月3日夜の乱高下時に付けた高値150.15円を超えて年初来高値を更新した。

ドル円見通し 10月26日早朝に150.31円へ上昇、年初来高値更新(23/10/26)

10月26日早朝に150.31円へ上昇、年初来高値更新

〇ドル円、本日早朝に150.31をつけ年初来高値更新、150円台を維持したまま午前序盤迎える
〇ドル全面高による円安継続感と市場介入への警戒感が交錯する中、円安継続感が優先された模様
〇9月米住宅販売は前月から大幅改善、予想も上回り好調、米長期債利回り上昇の要因に
〇今夜はECB理事会、米GDP速報値等、10/27夜は米PCEデフレーター発表予定
〇来週の日銀金融政策決定会合とFOMCの結果次第で、暫く神経質な展開が続きそう
〇149.80を上回るうちは一段高余地ありとし、150.31超えからは150.50、150.70を順次試す上昇を想定
〇149.80割れからは149.50前後への下落を想定

【概況】

ドル円は10月20日高値149.99円と23日高値149.98円で150円に届かず、米長期債利回り低下を見ていったん仕切り直しの下落に入り24日夕刻に149.30円まで安値を切り下げたが、円安基調は継続とみて買い戻しが入り24日深夜には149.92円へ戻した。
10月25日の日中から夜にかけてはややジリ高の推移で、米長期債利回り上昇を見ても150円には届かなかったが、米5年債利回りの入札が低調だったことで米長期債利回りの上昇が勢いを増したために26日未明に150.04円をつけ、26日早朝には150.31円へ上昇して10月3日夜の乱高下時に付けた高値150.15円を超えて年初来高値を更新した。市場介入への警戒感もあり直後には150.03円へ反落したが、150円台を維持したまま26日午前序盤に入っている。

ドル全面高による円安継続感と市場介入への警戒感が交錯しているが、円安継続感を優先して年初来高値を更新したと思われる。今夜はECB理事会、米GDP速報値等、明日夜には米PCE(個人消費支出)デフレーターの発表があり、来週は日銀金融政策決定会合とFOMCもあり、内容次第では波乱含みとなりつつドル円の上昇が加速する可能性と、実弾による市場介入や日銀の政策修正で急落する可能性もあり、暫く神経質な展開が続きそうだ。

【米住宅販売好調】

米商務省による9月の新築戸建て住宅販売件数(年換算)は前月比12.3%増の75万9000戸となり8月の67万5000戸を大幅から改善して市場予想の68万戸も上回った。前年同月比は33.9%増だった。
米住宅ローン金利の上昇による住宅販売不振への懸念が強まっている中で好調さを示したことで米長期債利回り上昇要因となった。

【米10年債利回りは反騰、ダウは前日の反発続かず失速】

10月25日の米長期債利回りは総じて上昇した。米住宅販売が予想を上回ったことや5年債入札が低調だったことで債券売り・利回り上昇となったが、11月に予定されている四半期毎の定例米国債入札を控えて債券需給のゆるみが意識されていることが長期債利回り上昇の背景にある。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.13%上昇の4.96%となった。10月23日に5.02%まで上昇してから急低下したために10月22日から24日まで3営業日続落となり4.80%まで下げていたが、25日の反騰により直前2日分の低下幅を解消している。
30年債利回りは前日比0.15%上昇の5.09%、10月23日に5.18%をつけたところから24日に4.93%まで低下したが低下幅の大半を解消している。
利上げに敏感な2年債利回りは前日比0.02%上昇の5.13%、10月19日に5.26%まで上昇してから23日に5.04%まで低下した後は持ち直しに入っている。
日本新発10年債(第372回債)利回りは25日に一時0.865%をつけて2013年7月以来の高水準となったが、米国債利回りと比較すればきわめて低い。

10月25日のNYダウは米長期債利回り上昇とアルファベットの決算内容を見てハイテク関連が売られたことで前日比105.45ドル安と下落した。24日は5日ぶりに反発していたが買い戻しの勢いが削がれている。ナスダック総合指数は前日比318.65ポイント安と大幅下落している。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は10月17日夜の一時的な急落で148.81円を付けたところを買われて上昇期に入っている。26日早朝に150.31円を付けたところから反落したものの150円台を維持しているので26日の日中から27日にかけてはまだ高値試しへ進む可能性があるとみるが、一段高後の反動安にも注意がいるため149.80円割れからはいったん下げに入るとみて27日午後から31日にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月24日夕刻からの反騰により遅行スパンが好転し、先行スパンも上抜き返したが、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、26本基準線割れからは弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からは下落期入りとして安値試し優先とするが、先行スパンが下値支持帯になるのではないかと考える。

60分足の相対力指数は10月26日早朝への上昇時に80ポイントに到達してから70ポイントを割り込んだが、55ポイント以上での推移中は一段高余地ありとみる。相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は下落期入りを疑い、50ポイント割れからは下落期入りとして40ポイント前後への低下へ進むとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、149.80円を下値支持線、150.31円を上値抵抗線とする。
(2)149.80円を上回るうちは一段高余地ありとし、150.31円超えからは150.50円、150.70円を順次試す上昇を想定する。市場介入への警戒感も強まるため波乱注意とするが、149.80円を上回るか直前高値から0.70円を超える下落がみられないうちは27日も高値試しへ進みやすいとみる。
(3)149.80円割れからは149.50円前後への下落を想定する。149.50円以下は反騰注意とするが、149.80円を割り込んでの推移なら27日も安値試しを続けやすいとみる。

【当面の予定】

10/26(木)
21:15 (欧) ECB(欧州中銀) 政策金利 (現行 4.50%、予想 4.50%)
21:30 (米) 7-9月期 GDP・速報値 前期比年率 (4-6月 2.1%、予想 4.5%)
21:30 (米) 7-9月期 GDP個人消費・速報値 前期比年率 (4-6月 0.8%、予想 3.9%)
21:30 (米) 7-9月期 コアPCE・速報値 前期比年率 (4-6月 3.7%、予想 2.5%)
21:30 (米) 9月 耐久財受注 前月比 (8月  0.2%、予想 1.5%)
21:30 (米) 9月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (8月 0.4%、予想 0.3%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 19.8万件、予想 21.0万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 173.4万人、予想 173.1万人)
21:30 (米) 9月 卸売在庫 前月比 (8月 -0.1%、予想 0.1%)
21:45 (欧) ラガルドECB総裁、記者会見
22:00 (米) ウォラーFRB理事、挨拶
23:00 (米) 9月 住宅販売保留指数 前月比 (8月 -7.1%、予想 -2.0%)
23:00 (米) 9月 住宅販売保留指数 前年同月比 (8月 -18.8%)
26:00 (米) 財務省7年債入札

10/27(金)
08:30 (日) 10月 CPI(消費者物価指数)東京・生鮮食料品除く 前年同月比 (9月 2.5%、予想 2.5%)
09:30 (豪) 7-9月期 PPI(生産者物価指数) 前期比 (4-6月 0.5%)
09:30 (豪) 7-9月期 PPI(生産者物価指数) 前年同期比 (4-6月 3.9%)
21:30 (米) 9月 個人所得 前月比 (8月 0.4%、予想 0.4%)
21:30 (米) 9月 PCE(個人消費支出) 前月比 (8月 0.4%、予想 0.4%)
21:30 (米) 9月 PCEデフレーター 前年同月比 (8月 3.5%、予想 3.4%)
21:30 (米) 9月 コアPCEデフレーター 前月比 (8月 0.1%、予想 0.2%)
21:30 (米) 9月 コアPCEデフレーター 前年同月比 (8月 3.9%、予想 3.7%)
22:00 (米) バーFRB副議長、FRBの会議で開会の挨拶
23:00 (米) 10月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値 (速報 63.0、予想 63.2)


注:ポイント要約は編集部

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