ドル円、150円台を回復するなど底堅い動きが継続中。米長期金利の急上昇がドル円を下支え(10/26朝)

25日(水)のドル円相場は底堅い動き。

ドル円、150円台を回復するなど底堅い動きが継続中。米長期金利の急上昇がドル円を下支え(10/26朝)

150円台を回復するなど底堅い動きが継続中。米長期金利の急上昇がドル円を下支え

〇ドル円、米住宅指標の好調等からの米長期金利上昇に150円台乗せ
〇ユーロドル、ECB理事会を控えたポジション調整、米金利上昇等に1.05台半ばに反落
〇ドル円は高値圏での一進一退続くがテクニカル的に、リスクはアップサイド
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待が支えに
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日はECB理事会、米7ー9月期GDP速報値等重要イベント目白押し、乱高下に警戒必要
〇本日の予想レンジ:149.50ー151.00

海外時間のレビュー

25日(水)のドル円相場は底堅い動き。(1)日銀による金融緩和の修正観測(今月末に予定されている日銀金融政策決定会合で日銀が金融緩和の修正に踏み切るのではないかとの思惑)や、(2)本邦輸出企業の実需のドル売りが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値149.79まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開や、(4)日経平均株価の底堅い動き、(5)米9月新築住宅販売件数(結果75.9万件、予想68.0万件)の市場予想を上回る結果、(6)米5年債入札の低調な結果、(7)上記5、6を背景とした米長期金利の急上昇(10年債利回りが4.80%から4.96%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値150.06まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/26午前4時45分現在)では、150.04前後で推移しております。

25日(水)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間午後にかけて、高値1.0607まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)欧州経済の先行き不透明感(前日に発表されたユーロ圏10月製造業PMI速報値および非製造業PMI速報値が軒並み冴えない結果)や、(2)ドイツIfo経済研究所のフュースト所長による「ECBは2024年後半に利下げに踏み切る可能性」「ECBがこれ以上の利上げに踏み切る理由はほとんど見当たらない」とのハト派的な発言、(3)上記1、2を背景としたECBによる金融引き締め打ち止め観測、(4)ECB理事会を控えたポジション調整、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0566まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/26午前4時45分現在)では、1.0568前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ10月Ifo企業景況感指数(結果86.9、予想85.9)は市場予想を上回りましたが、ユーロ買いでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は高値圏での一進一退(10/3に記録した年初来高値150.16に接近しつつも、介入警戒感から同水準を抜けられないじれったい展開)が続いています。但し、60分足・240分足・日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(強気のパーフェクトオーダー、一目均衡表三役好転、ダウ理論の上昇トレンド)が点灯しているため、テクニカル的に見て、リスクはアップサイド(年初来高値150.16の上方ブレイクは時間の問題)と考えられます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(金融引き締め下においても米経済が堅調さを維持→追加利上げ観測→米長期金利に上昇圧力)や、(2)日銀による金融緩和の長期観測(今月末の会合で緩和修正が行われるのではとの思惑が一部で広がりを見せていますが、基本路線は依然として現行政策の現状維持。仮にサプライズ修正がなされたとしても影響は一時的なものに留まる公算が大きい)、(3)上記2、3を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金融政策の方向性の違い→日米金利差拡大期待→円売り安心感)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

政府・日銀による為替介入が依然として警戒されてはいるものの、ボラティリティが全く出ていない足元の状況下で実弾介入に踏み切ることは容易では無いため(政府・日銀は為替介入の発動条件をドル円の水準ではなく、ボラティリティに置いているため)、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はECB理事会やラガルド総裁記者会見に加えて、米7ー9月期GDP速報値や米9月耐久財受注速報値、米新規失業保険申請件数、米10月カンザスシティ連銀製造業活動指数、米財務省7年債入札など重要イベント目白押しとなるため、海外時間帯の乱高下に警戒が必要でしょう(ECB理事会やラガルド総裁記者会見でハト派的な見解が示されれば、ECBによる金融引き締め休止観測→欧州債利回り低下→対ユーロでのドル買い再開の経路で、ドル高・円安に波及する可能性あり。また、米7ー9月期GDP速報値などの米経済指標が市場予想を上回る場合には、米利上げ観測再燃→米金利上昇→米ドル買いの経路でドル円が年初来高値を突破し、昨年高値151.95に向けて上値を伸ばす公算大)。

本日の予想レンジ:149.50ー151.00

注:ポイント要約は編集部

150円台を回復するなど底堅い動きが継続中。米長期金利の急上昇がドル円を下支え

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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