東京市場のドルは149円台後半の小動き、綱引き状態で身動き取れず
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、引き続き日銀修正観測や為替介入警戒と、日米金利差の綱引き状態となり、149円台後半で推移した。
昨晩の海外時間では、米10月PMI速報値で製造業、サービス業ともに市場予想を上回ったことから、米国10年債利回りが4.88%台まで上昇。ドルは149円前半から149円90銭台まで戻したが、米金利上昇が止まったことからドルの上値は重くなった。
東京時間も149円台後半での小動きが継続し、一日の上下の値幅はわずか14銭に留まった。日米金利差を背景としたドル買いと、政府・日銀による為替介入警戒感や日銀の金融政策修正観測に伴うドル売りが拮抗。膠着感の強い地合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円87銭
高値:149円93銭
安値:149円79銭
終値:149円87銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円75銭
高値:158円94銭
安値:158円71銭
終値:158円87銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円25銭
高値:95円89銭
安値:95円25銭
終値:95円55銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円24銭
高値:182円46銭
安値:182円21銭
終値:182円37銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31302円51銭
高値:31466円92銭
安値:31195円58銭
終値:31269円92銭(前日比+207円57銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、独Ifo景況感指数、前回:85.7、市場予想:85.8
23時00分、カ、カナダ中銀政策金利、前回:5.0%、市場予想:5.0%
23時00分、米、新築住宅販売件数、前回:67.5万件、市場予想:68.5万件
23時30分、米、原油在庫(前週比)、前回:−449.1万バレル、市場予想:−50.0万バレル
26時00分、欧、ラガルドECB総裁がギリシャ銀行主催夕食会に参加
29時35分、米、パウエルFRB議長が講演会で挨拶
21日からFRBブラックアウト入り(金融政策に関する発言自粛)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、10月3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能しているが、心理的な節目である150円も目先の上値抵抗ラインとなりつつあり、狭いレンジ推移となっている。また、ボリンジャーバンドの±2σの幅も狭く、方向感に乏しい地合いだ。
昨日は、日銀がイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の再修正を直前まで見極めるとのニュースを受けて、149円30銭台までドルが売られる場面が見られた。市場コンセンサスは「現状維持」だが、日銀金融政策決定会合を前に思惑が高まりやすい。特に開催直前となる週末にかけては、観測記事が飛ぶ可能性もあることから、新しいドルのポジションを構築するのは難しい。
そして、150円という水準は、10月3日の海外時間で見られた「エア為替介入(介入かどうかが不明)」の残像がちらつく投資家が多い。政府・日銀による為替介入警戒感は強く、ドルの上値を抑える要因となっている。
これに米国下院議長の空席問題と、イスラエルとハマスの武力衝突の長期化懸念、10月31日ー11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)開催なども加わることから、ドルの様子見ムードが強まるのは当然だ。
一方、日米金利差がドルの下支えとなっていることからドルの下値も堅い。こうした材料を考慮すると、せいぜいイベント前のポジション調整が売買のメインとなり、トレードチャンスに乏しい地合いは来週半ばまでは続くと想定する。今晩の海外時間の上値メドは150円00銭、下値メドは149円40銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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