149円台は居心地よい、基本はレンジ継続(10/25夕)

25日の東京市場はドルの強保ち合い。150円にはとどかなかったが、それでも149円後半で高原推移をたどっている。

149円台は居心地よい、基本はレンジ継続(10/25夕)

149円台は居心地よい、基本はレンジ継続

〇ドル円、上値の重さ変わらず、149.80-95といった20ポイントに満たない値動きにとどまる
〇米共和党、下院議長選4人目候補としてジョンソン氏選出するも、米政府機関閉鎖問題は混迷を極める
〇ブルームバーグ「習主席10/24午後に異例の中国人民銀行訪問」と報じる。低迷する景気回復を念頭か
〇今夜カナダ中銀が政策金利発表、事前予想は「金利据え置き」 明日はECBが発表予定
〇ドル高円安方向は依然として上値が重く150円レベルが最初の抵抗。抜ければ150.16がターゲット
〇ドル安円高方向、昨日安値や21日MA位置する149.30-40の攻防に注目。割り込むと149円割れも
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.40-150.20

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場はドルの強保ち合い。150円にはとどかなかったが、それでも149円後半で高原推移をたどっている。

ドル/円は149.90円前後で寄り付いたものの、値動きそのものは極めて限定的。149.80-95円といった20ポイントにも満たない変動にとどまっている。150円を完全に視界内へと捉えたような値動きをたどるも、鈴木財務相など本邦要人からの口先介入も本日は聞かれていない。16時現在では149.85円レベルで推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米政府機関閉鎖問題」と「中国情勢」について。
前者は、3日にマッカーシー氏が議長を解任されて以降、3週間にわたり続いている米下院議長選が再び混迷を極めている。昨24日に米下院共和党は、投票で下院共和党ナンバー3のエマー下院議員を「候補者」として指名したものの、なんとわずか4時間後にエマー氏自身が撤退を発表。党内のゴタゴタが鮮明になるなか、再び投票を実施し4人目の候補としてジョンソン氏を新たに選出した。ただ、民主党がジョンソン氏で納得するか否かは微妙なところで、振り出しに戻ることを懸念する声なども聞かれているようだ。いずれにしても、つなぎ予算期限が切れる11月17日まで残りは1ヵ月もなく、政府機関の閉鎖にも再び暗雲が垂れ込めてきた感がある。

対して後者は、中国メディアから「李尚福国防相を更迭、秦剛前外相を国務委員から除名」としたショッキングな報道が観測されるなか、低迷する景気回復を念頭においてかブルームバーグは「習国家主席が24日午後に異例の中国人民銀行訪問を行った」と報じていた。一方、それとは別に米中関係改善に向けた動きは様々観測されており、昨日は英字紙チャイナ・デイリーが「米国防総省、29-31日の中国安保会議に代表団を派遣」と伝えたほか、米ホワイトハウスから「ブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官が27日に王共産党政治局員兼外相と会談する」との正式発表が聞かれている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日の東京時間に一時149.32円まで下落。下手をするとトレンド転換の可能性さえ懸念されたが、そののち切り返すと杞憂に終わった。とは言え、150円レベルのドルの上値の重さは相変わらずで、149円後半では上げ渋りの様相に変化がみられない。油断は禁物ながら、149円後半を中心としたドルの強保ち合いが、いましばらく続く可能性もありそうだ。
来週に予定されている日米の政策金利発表を市場は注目。そうしたなか明日にはECBが先んじて政策金利を発表するほか、本日はカナダ中銀による同金利発表が実施される見込みだ。ちなみに本日のカナダの場合、事前予想では「金利据え置き」を予想する向きが大勢とされている。またそれ以外の要因として、中東地域への地政学リスクの高まりや中国情勢などにも引き続き警戒を要したい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は基本的なドル高トレンドに変化はない。時間足のような短期のチャートを見ても、17日にミスヒット的な動きで148円台をつけたわずかな時間を除けば、もう10日以上も149円以上での推移をたどっていることがうかがえる。
ただ、その一方で上値も重く150円以上の滞在時間も非常に短い。つまり、149円台はかなり居心地の良い価格帯であるとも言えそうで、短期的にはそんなボックス相場からのしっかりとした脱却の有無にまずは注目だ。

本日は米経済指標として、9月の新築住宅販売件数などが発表されるほか、米企業決算の発表も引き続き活発だ。また、別途実施されるカナダ中銀による政策金利の発表、実施される米豪首脳会談などを注視している向きも多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.40-150.20円。ドル高・円安方向は時間外取引を含め何度か到達しているものの、依然として上値が重い150円レベルが最初の抵抗か。抜ければ150.16円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値や移動平均の21日線が位置する149.30-40円の攻防にまずは注目。割り込むと149円割れも。

149円台は居心地よい、基本はレンジ継続

ドル円日足



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