基調変わらず、ただドル続落にも要注意(10/24夕)

24日の東京市場はドルが軟調裡。とくに終盤下げ幅を拡大し、前日割り込めなかった149円半ばを下回っている。

基調変わらず、ただドル続落にも要注意(10/24夕)

基調変わらず、ただドル続落にも要注意

〇本日のドル円、当初の値動きは限定的であったが最終盤になりドルが底割れ、149円半ばを割り込む
〇基本的なリスクは依然として上向きだが、上値の重さはいまだ変わらず、150円をクリアに超えられず
〇本日の東京は米金利低下もありドル売り・円買いが優勢、移動平均の21日線を下回るようだと要注意
〇来週の日米政策金利発表に市場は注目、日銀のYCCの修正論再燃も取り上げられる
〇ドル円予想レンジは148.90-149.90、ドル高・円安方向は本日東京高値の149.80レベルが最初の抵抗か
〇ドル安・円高方向は、149.30台まで値を上げてきた21日線の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場はドルが軟調裡。とくに終盤下げ幅を拡大し、前日割り込めなかった149円半ばを下回っている。

ドル/円は149.70円前後で寄り付いたものの、新規材料も乏しく当初の値動きは限定的。日経平均がザラ場ベースで一時400円を超える下落をたどるも、為替市場の反応はほぼ見られず。したがって149.50-80円といった30ポイント程度のレンジ取引で終日推移と思いきや、最終盤になりドルは底割れ。米金利の低下を嫌気した動きで、149円半ばを割り込むと、16時現在ではそのままドルは日中安値圏で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「中東情勢」について。
前者は、中国の王共産党政治局員兼外相が26-28日にワシントンを訪問し、ブリンケン国務長官などと会談することが決定したようだ。しかし、バイデン大統領と会談するかどうかは不明だという。しかし、一方で関係悪化を懸念させるニュースも。たとえばカナダ外務省は、中国が関与する世論操作活動「スパムフラージュ」を検知したと発表している。また、それとは別に不動産大手・碧桂園の支払い不履行をめぐり、投資家が信用事由発生についてクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を決定する委員会に判断を求めたとロイターが報じていた。いよいよ破綻も待ったなしか。

対して後者は、イスラエル軍が昨日、過去24時間で「ガザの320以上の目標を攻撃した」と発表するなど、中東情勢の緊張が依然として続く。そうしたなか、アラブ諸国の要請で、パレスチナ自治区ガザの情勢を協議する国連総会の緊急特別会合を26日午前に開くことが決定されている。なお、イスラエルによる過剰防衛を懸念してか、ロイターは「米国がイスラエルに対し、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザでの地上侵攻を控えるよう助言している」と報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先週末ついに150円を示現するなど、基本的なリスクは依然として上向き。しかし、上値の重さはいまだ変わっておらず、150円をクリアに超えていくような展開には至っていない。むしろ本日の東京は、前述したように最終盤に掛けて米金利の低下もあり、ドル売り・円買いが優勢だった。大きく崩れることはまだ予想しにくいものの、149.30円台まで値を上げている移動平均の21日線を下回るようだと要注意だろう。
来週に予定されている日米の政策金利発表を市場は注目。それに向け、様々な思惑が交錯し、たとえばブルームバーグは「日銀会合を前に強まる政策修正観測」としてイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の修正論再燃を取り上げていたが、果たして実際のところは如何に。いずれにしても、まずは発表される米国の経済指標に注目だ。本日でいえば、10月の製造業PMI速報がとくに注視されている。またそれ以外の要因として、中東地域への地政学リスクの高まりなどにも引き続き警戒を要したい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は基本的なドル高トレンドに変化はないものの、東京終盤にみせたドルの下押しはやや気掛かりだ。このあとの欧米時間は149.30円台まで値を上げてきた移動平均の21日線をめぐる攻防、それもザラ場ベースだけでなく、NYクローズでしっかりと維持できるかどうかを注視したい。仮に下回るようだと、10日安値の148.17円がターゲットに。

本日は米経済指標として、10月の製造業PMI速報や同リッチモンド連銀製造業指数が発表されるほか、米企業決算の発表にも一応要注意。また、三度失敗した米下院議長選に向けた野党共和党の候補者選び、本24日に非公開会合で新たな党候補を選出する予定となっている。どんな人物が選ばれるのか注視しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.90-149.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値にあたる149.80円レベルが最初の抵抗か。抜ければ再び150円乗せが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、既に取り上げたように21日線の攻防にまずは注目。割り込むと149円割れ、148.77円などが視界内に。

基調変わらず、ただドル続落にも要注意

ドル円日足


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