東京市場のドルは149円台半ばで推移、中銀会合期間入りで膠着相場は継続
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀の政策修正観測や為替介入警戒感などが先行して、ドルは149円台半ばとやや軟調に推移した。
昨晩の海外時間では、米10年債利回りが2007年以来となる5.0%台に乗せた後、達成感などが意識されて4.8%台まで下落。米金利の低下を受けて、ドルは149円台後半から半ばとやや軟調推移となったが、下値を探る動きも限定的となった。
東京時間でも同じような展開となり、ドルは149円台半ばでのもみ合いとなった。時間外では、米10年債利回りが4.8%台で推移するなど上げ一服。日銀が臨時の国債買い入れオペ通知で金利抑制姿勢を示したものの、為替市場への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円69銭
高値:149円80銭
安値:149円49銭
終値:149円68銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円69銭
高値:159円92銭
安値:159円61銭
終値:159円88銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円81銭
高値:95円19銭
安値:94円80銭
終値:95円14銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:183円35銭
高値:183円69銭
安値:183円26銭
終値:183円69銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31157円01銭
高値:31210円26銭
安値:30551円67銭
終値:31062円35銭(前日比+62円80銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ユーロ圏製造業PMI、前回:43.4、市場予想:43.5
17時00分、欧、ユーロ圏サービス業PMI、前回:48.7、市場予想:48.5
21時00分、欧、ハンガリー中銀政策金利、前回:13.0%、市場予想:12.5%
☆22時45分、米、製造業PMI、前回:49.8、市場予想:49.5
22時45分、米、サービス業PMI、前回:50.1、市場予想:49.8
22時45分、米、コンポジットPMI、前回:50.2、市場予想:50.1
23時00分、米、リッチモンド連銀製造業指数、前回:5.0、市場予想:4.0
21日からFRBブラックアウト入り(金融政策に関する発言自粛)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、10月3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能しているが、心理的な節目である150円も目先の上値抵抗ラインとなりつつあり、狭いレンジ推移となっている。
本日のハンガリー中銀政策金利の発表を皮切りに、26日の欧州中央銀行(ECB)理事会、30日−31日の日銀金融政策決定会合、31日−11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と秋の中銀会合期間入りとなる。
市場では、日米欧ともに「現状維持」との見方が強い一方、日銀は何らかの政策修正を行うとの観測が高まっている。日本の10年国債利回りは0.85%台と、米10年債利回りほどではないが、それなりに上昇している。7月末の日銀会合で「イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)」の運用柔軟化を決定以降、0.4%台からじりじりと上昇し変化率だけでみると、3か月近くで金利はほぼ2倍となった。これでも円が買われないのは、米国債利回りの存在が大きい。
日本国債を少し上回るスピードで米国債の利回りが上昇していることから、日米金利差は4.1%前後を維持している。日米金利差という為替売買のセオリーを考慮すると、日本は1.0%という上限を設けていることから、日本円は売られドルが買われるのが一般的な考えだ。
とはいえ、米国も米下院議長不在という異例な事態が3週間近く続くなど、米下院の機能不全はドル買いをためらう材料だ。また、10月3日の海外時間で見られた「エア為替介入(介入かどうかが不明)」の残像がちらつくことも150円台定着を拒む要因となっている。こうした背景を総合的に表現すると、下値は限定的だが上値も重い、つまり「ドル膠着」という結論となる。
11月1日のFOMC終了後も、米下院議長不在のままであれば、11月17日の米政府機関閉鎖の現実味が増すことからさすがにドル軟調とはなりそうだが、少なくても今週は様子見ムードが強まることで膠着相場継続だろう。今晩の海外時間の上値メドは150円00銭、下値メドは149円40銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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