ドル円、下落後に持ち直す展開。米10月PMI速報値の良好な結果が下支え
〇ドル円、日銀による金融緩和の修正観測、米金利低下に欧州序盤149.32まで下落
〇その後は対ユーロでのドル買い、米PMIの改善等に149.93まで反発
〇ユーロドル欧州朝方に1.0696(←訂正×1.0969)まで上昇するも指標の不冴え、欧州金利低下に1.0583まで急落
〇ドル円、上位足から下位足まで全てのローソク足で強い買いシグナルが点灯、地合い強い
〇日銀政策修正が行われたとしても、影響は一時的なものに留まるか
〇引き続きドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:149.25ー150.25
海外時間のレビュー
24日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)中東情勢緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりや、(2)日銀による金融緩和の修正観測(月末に予定されている日銀金融政策決定会合で金融緩和の修正に踏み切るとの思惑)、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値149.32まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)対ユーロでのドル買い圧力(ユーロドル急落→対主要通貨でのドル買い再開→ドル円連れ高)や、(5)米主要株価指数の堅調推移、(6)米10月製造業PMI速報値(結果50.0、予想49.5)および米10月非製造業PMI速報値(結果51.0、予想49.9)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値149.93まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/25午前6時00分現在)では、149.90前後で推移しております。尚、昨日は一部通信社より「日銀のYCC再修正について長期金利の動向を直前まで見極めた上で判断する」とのヘッドラインが流れましたが、円買いでの反応は限定的となりました。
24日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)ECB理事会を控えたポジション調整、(3)直近高値突破に伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0696(9/20以来の高値圏)まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)心理的節目1.0700を背にした戻り売り圧力や、(5)ユーロ圏10月製造業PMI速報値(結果43.0、予想43.5)およびユーロ圏10月非製造業PMI速報値(結果47.8、予想48.5)の市場予想を下回る結果、(6)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(7)米10月製造業PMI速報値および米10月非製造業PMI速報値の市場予想を上回る結果、(8)短期筋のストップSELL(俄かロングのロスカット)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0583まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/25午前6時00分現在)では、1.0590前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は高値圏での膠着状態が続いていますが、上位足(日足・週足・月足)から下位足(60分足・240分足)に至る全てのローソク足で強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違いや、それに伴う円キャリートレードの継続期待(円売り安心感)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。日銀による金融緩和の修正観測(今月末に開催される日銀金融政策決定会合で何かしらの緩和修正が行われるのではないかとの思惑)が広がっていますが、例え政策修正が行われたとしても、日米金利差が一気に縮まるわけではないため、影響は一時的なものに留まると考えられます(むしろ緩和修正でドル円が下がる局面が絶好の押し目機会となる可能性あり)。
また、政府・日銀による為替介入についても、先日のIMFサンジャヤ・パンス副局長による「最近の円安はファンダメンタルズに沿った動きで、為替介入の要件を満たしていない」との発言等を踏まえると、実弾介入に踏み切ることは容易ではないと考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。もっとも、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米9月新築住宅販売件数、米5年債入札以外に目立った経済イベントが見当たらず、また、ブラックアウト期間中のため、米当局者発言も予定されていないため、ドル円は昨日同様方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです(アジア時間帯は5・10日要因で一時的にドル買い・円売りが進む可能性あり)。
本日の予想レンジ:149.25ー150.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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