東京市場のドルは149円台での膠着継続、下院議長投票は3度目の正直なるか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、引き続き膠着感が強い地合いとなり、上下の値幅はわずか20銭に留まった。
昨晩の海外時間では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、講演で、「インフレが依然として高過ぎ、米経済の強さが続けば一段の金融引き締めは正当化される」との見解を示したこともあり、米10年債利回りは4.992%まで上昇した。ただ、政府・日銀による為替介入懸念が重しとなり、ドルの上値は重く、150円台乗せとはならなかった。
東京時間も引き続き、値幅の狭い地合いとなった。時間外で米10年債利回りは4.94%台と高い水準を維持していたが、金利上昇に伴うドル買いというフローは入らず。10月3日の海外時間で発生した150円台からのドル急落の残像が、市場関係者には色濃く残っている様子だ。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円83銭
高値:149円95銭
安値:149円75銭
終値:149円85銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円51銭
高値:158円60銭
安値:158円43銭
終値:158円45銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円69銭
高値:94円78銭
安値:94円52銭
終値:94円59銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円87銭
高値:181円96銭
安値:181円63銭
終値:181円73銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31164円89銭
高値:31428円97銭
安値:31093円90銭
終値:31259円36銭(前日比−171円26銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
22時00分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が講演
25時15分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
21日からFRBブラックアウト入り(金融政策に関する発言自粛)
バイデン大統領がイスラエル訪問
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、10月3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能しているが、心理的な節目である150円も目先の上値抵抗ラインとなりつつあり、狭いレンジ推移となっている。
ドル円の膠着感は強く、10日間のヒストリカル・ボラティリティ(HV)は3.0台と今年最も低い水準となった。30日HVも4.9と今年7月上旬以来の低さである。とりわけ東京時間の値幅の狭さが際立っており、上下20銭ほどではトレードチャンスはほぼ皆無と言えよう。
膠着感を強めている背景として、中東情勢、政府・日銀による為替介入警戒感、そして、米下院議長の空席が重しとなっていると考える。その下院議長の空席問題の解決策として、米国時間20日午前10時に三回目の投票が実施される予定だ。
立候補しているジム・ジョーダン氏が三度目の正直となるかが注目だが、共和党は既に強硬派の造反者が続出しており、党内には深い溝があり、難航が予想されている。9月末に米議会上下両院が可決した政府のつなぎ予算の期限は11月17日までであるため、待った無しの状況である。
中東情勢緊張化を受けて、「米国は世界の保安官なので、党は違えど共に歩もう」と捉える昔気質の米国議員はほぼいない。むしろ、中東情勢の緊張化を受けて、米議会はより混乱する可能性の方がありそうだ。いずれにしても今晩予定されている米下院議長の投票の結果を見極める必要はあろう。
ジョーダン氏が議長に選出されれば、瞬間的に150円台に乗せる場面はあると見ているが、10月3日のドル急落がちらついていることから150円台定着は難しいと考える。上値メドは150円20銭、下値メドは149円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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