ドル円149円台後半での膠着継続
20日午前の東京市場でドル円は引き続き高値圏でのもみ合い。朝方149.79レベルで取引の始まったドル円は、10時過ぎに149.94まで上昇しましたが、昨晩高値を抜けずに反落。東京時間正午現在は149.85レベルで取引されています。
朝方発表された本邦9月の全国CPIはヘッドラインが前年比3.0%で前月3.2%から低下、除く生鮮食料品(コア)、除くエネルギー・生鮮食料品(コアコア)も前月より低下したものの、ヘッドライン以外は市場予想比高止まりしたことから、本邦金融緩和策縮小への連想から瞬間10銭程ドル円が売られる場面もありました。ただ、全般的には影響は限定的でした。
日経平均株価は、昨晩欧米市場で主要株価指数がほぼ全面安の様相だったことを受けて売りが先行。下げ幅は一時300円を超えました。しかし日経平均が昨日既に大きく下げていたことや、エネルギー関連株、一部薬品メーカー株が買われたことでやや持ち直し、163円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場で注目されたパウエルFRB議長の講演は、米経済の強さを強調、「政策金利水準は十分高くないかもしれない」と述べるなど基本的にはタカ派的な内容で、ドル円は講演開始直後149.95まで上昇しました。しかし、長期金利上昇によりFRBが一段の利上げを行う必要が低下したのではないかとの質問に対して「原則的にはその通りだ」と答える等、利上げ見送りの可能性も垣間見えたこと等から一旦149.67レベルに急落するなど荒い値動きとなり、その後は149円台後半でもみ合った後149.80レベルで東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、昨日と変わらず150円と本日149.29付近を上昇中の21日移動平均線の間での横ばい推移。
ドル円が、昨晩パウエル議長講演が強いタカ派トーンで始まったにもかかわらず、150円を超えられなかったことで、改めて150円の壁の厚さが認識される形となりました。
イベント的にはこれを上回るドル買い材料は、月末の日米の政策決定会合まではなかなか出てこないものと思われ、そろそろ一旦下方向も意識するべき局面が近づいてきたと感じられる反面、昨晩一時4.98%をつけた10年債利回り等の米長期金利がこのまま上昇を続けるリスク、中東情勢の一段の深刻化等はドル買い要因として引き続き留意が必要です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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