昨日は150円乗せ失敗、果たして本日は如何に
〇ドル円、149.75-95といったドル高値圏での保ち合い、引き続き上値が重く本日も150円にとどかず
〇連日ドルの上値を切り上げているが150円には到達せず、150円台をみたあとの急反落を警戒する声も
〇月末の日米政策金利発表が注視される、今後はブラックアウト期間米要人の発言が控えられる
〇ドル円予想レンジは149.40-150.20、ドル高・円安方向は引き続き150円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値149.67や一昨日安値149円半ばをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場はドルが強保ち合い。149円台後半で底堅く推移したものの、依然として上値も重いままだった。
ドル/円は149.75-80円で寄り付いたものの、ドルの上値は引き続き重い状態で本日も150円にはとどかず。また鈴木財務相からは「為替相場は安定的に推移することが重要」とした口先介入も聞かれており、ドルの上昇を阻む一因になっていた。いずれにしても、149.75-95円といったドル高値圏での保ち合いをたどるなか、16時現在では149.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、発表された米経済指標はまちまちな内容。決定打に欠けたが、注目されたパウエルFRB議長の講演内容がややハト派と受け取られ、わずかながらドル売りの要因に。とは言え、「現在の政策が引き締め過ぎでないことは明らか」や「一段の利上げが正当化される可能性がある」といったコメントも聞かれており、個人的にはそれほど弱いというイメージではないと考えている。また、それとは別にシカゴ連銀総裁は「米国はリセッションを回避できる」、アトランタ連銀総裁は「インフレの抑制は依然としてFRBの使命」、フィラデルフィア連銀総裁は「高金利をしばらく維持することに賭けたい」−−などと発言としていたようだ。
対して後者は、ロシアのラブロフ外相が北朝鮮を訪問し、金総書記と会談を実施。そのなかで、「先月のプーチン大統領との首脳会談での合意を履行する決意を伝えた」と報じられていた。具体的には、武器供給などを指すといった声も聞かれている。一方、そうしたなか米紙が「米政府系『ラジオ自由欧州・ラジオ自由』の女性編集者がロシア当局に拘束された」と報じていた。事実とすれば、今年拘束された米国籍のジャーナリストはWSJ紙記者に続き2人目で、米露間における新たな懸念要因となりかねない。
<< 欧米市場の見通し >>
今週のドル/円高値を振り返ると、16日の149.76円が翌日に149.85円、そして149.93円昨19日は149.96円だった。連日ドルの上値を切り上げているが、いわゆる牛歩であり、いまだ150円にはとどいていない。到達まで残り数ポイント、いつ付けてもまったく不思議はないものの、定着となると果たしてどうか。3日のような、150円台をみたあとの急反落を警戒する声もあるようだ。
月末に予定されている日米の政策金利発表が注視されるなか、昨日のパウエルFRB議長講演は前述したような結果に。ただ、今後は米要人からの発言が控えられるようになるため、ちょっとしたことで思惑を呼びやすく、逆に乱高下を誘発しやすくなる可能性もある。またそれ以外の要因として、中東地域への地政学リスクの高まりや不動産問題を中心とした中国情勢などにも引き続き注意を要したい。
テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクはドル高方向に高いものの、昨日も150円には到達せず。149.96円と、あと数ポイントまで接近しながらトライは失敗に終わっている。
さすがに、そろそろ超えても不思議はないといった見方をする向きが徐々に増えつつあるものの、定着するか否かは別の問題。また今回2度目の到達で、達成感が台頭することを指摘する声も聞かれていた。150円台乗せがトレンド転換の呼び水になる可能性も。
本日は目立った米経済指標が発表されない。ただ、ブラックアウト期間にまだギリギリ引っ掛からないのか、フィラデルフィア連銀総裁の講演などが予定されているほか、実施される米・EU首脳会談などにも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.40-150.20円。ドル高・円安方向は引き続き150円レベルが最初の抵抗。超えれば150.16円が当然視界内に入るし、瞬間的にはそれ以上のドル高も。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の149.67円や一昨日安値149円半ばをめぐる攻防にまずは注目。下回ると149.20円前後までをレベルを切り上げてきた移動平均の21日線が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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