ドル円、高値圏での一進一退が継続。パウエルFRB議長発言で上下するも底堅さを堅
〇ドル円、米新規失業保険等の指標好調、米長期金利上昇等に米国時間に149.98まで上昇
〇パウエル議長の「インフレは依然として高すぎる」等タカ派的発言にドル円上昇
〇一方で「利回りの上昇は追加利上げの必要性の低下を意味し得る」とハト派的発言も
〇ユーロドル、欧州債利回り上昇、パウエル議長の利上げ見送り示唆等に一時1.0615まで上昇
〇ドル円、強い買いシグナルが点灯する中、テクニカル面での地合いの強さが顕著
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードへの安心感が支えに
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:149.25ー150.75
海外時間のレビュー
19日(木)のドル円相場は底堅い動き。(1)本邦9月貿易収支(結果624億円黒字、予想4515億円赤字)の市場予想を大幅に上回る結果や、(2)上記1を背景とした需給面での円買い観測、(3)日経平均株価の冴えない動きが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値149.66まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米新規失業保険申請件数(結果19.8万件、予想21.0万件)の良好な結果や、(5)米9月中古住宅販売件数(結果396万件、予想389万件)の市場予想を上回る結果、(6)パウエルFRB議長による「力強い経済に関する追加的な証拠が得られれば利上げに値する可能性あり」「インフレは依然として高過ぎるため、更なる進展が必要」とのタカ派的な発言、
(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値149.98まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(8)パウエルFRB議長による「利回りの上昇は追加利上げの必要性の低下を意味し得る」とのハト派的な発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/20午前5時30分現在)では、149.82前後で推移しております。尚、昨日は神田財務官より「過度な変動があったら適切に対応する」との円安牽制発言が見られましたが、円買いでの反応は限定的となりました。
19日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)欧米金融政策の方向性の違いが重石となる中、アジア時間午後にかけて、安値1.0527まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力や、(3)ユーロ圏8月経常収支(結果277億ユーロ黒字、前回209億ユーロ黒字)の黒字幅拡大、(4)ユーロクロスの堅調推移(ユーロドル連れ高)、(5)パウエルFRB議長による「利回りの上昇は追加利上げの必要性の低下を意味し得る」とのハト派的な発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0615まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/20午前5時30分現在)では、1.0582前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円はパウエルFRB議長発言で上下するも高値圏での推移が続いています。強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダー)が点灯する中、テクニカル面での地合いの強さが顕著となっています。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違いや、それに伴う円キャリートレードの妥当性(円売り安心感)、政府・日銀による為替介入のやりづらさ(国際通貨基金サンジャヤ・パンス副局長は「最近の円安はファンダメンタルズに沿った動きで、為替介入の要件を満たしていない」と発言)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
本日は5・10日要因のドル不足(ドル買い需要)も意識されるため、アジア時間帯(日本時間9:55に予定されている公表相場決定前後)に年初来高値150.16を試すシナリオが警戒されます。年初来高値を突破できれば、短期筋のストップSELLを巻き込みながら、一気に上値を広げる恐れもあるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は本邦9月全国消費者物価指数や、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁講演、クリーブランド連銀メスター総裁講演などにも注目が集まりそうです。
本日の予想レンジ:149.25ー150.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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