東京市場のドルは150円手前の膠着、米下院議空席もドルの重しか?(23/10/19)

東京時間のドル・円は、中東情勢などが意識され積極的な売買が入らなかったことから、3営業日連続となる149円台半ばから後半でのもみ合い相場となった。

東京市場のドルは150円手前の膠着、米下院議空席もドルの重しか?(23/10/19)

東京市場のドルは150円手前の膠着、米下院議空席もドルの重しか?

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、中東情勢などが意識され積極的な売買が入らなかったことから、3営業日連続となる149円台半ばから後半でのもみ合い相場となった。

昨晩の海外時間では、中東情勢緊迫化に伴う原油価格高騰を背景に、米10年債利回りは4.92%台まで上昇。米金利上昇を受けて、ドルは149円98銭まで買われたが、政府・日銀による為替介入警戒が強まったことから、10月3日以来となる150円台乗せとはならなかった。

東京時間も上値の重い展開は継続し、150円台回復は見送られた。ただ、時間外で米10年債利回りが4.96%台まで上昇したことが下支えとなり、売りも限定。結局、3営業日連続で149円台半ばから後半での小動きとなった。なお、株式市場では日経平均が前日比600円超の下げとなったが、為替市場への影響は限定的。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円85銭
高値:149円90銭
安値:149円66銭
終値:149円79銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円92銭
高値:157円96銭
安値:157円73銭
終値:157円77銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円87銭
高値:94円91銭
安値:94円33銭
終値:94円36銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円95銭
高値:182円00銭
安値:181円52銭
終値:181円52銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31579円54銭
高値:31669円42銭
安値:31399円17銭
終値:31430円62銭(前日比−611円63銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:20.9万件
21時30分、米、フィラデルフィア連銀景況指数、前回:−13.5、市場予想:−6.5
22時00分、米、ジェファーソンFRB副議長がFRB主催会議に出席
23時00分、米、中古住宅販売件数、前回:404.0万件、市場予想:392.0万件
25時00分、米、パウエルFRB議長がNYエコノミッククラブで講演
26時20分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が質疑応答
26時30分、米、バーFRB服議長がボストン連銀主催会議に出席
29時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
30時30分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が講演

バイデン大統領がイスラエル訪問
※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、10月3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能しているが、心理的な節目である150円も目先の上値抵抗ラインとなりつつあり、狭いレンジ推移となっている。

米10年債利回りは、ドルが150円台に乗せた10月3日の4.8%台を既に上回り、5.0%台乗せが間近に迫っている。イランがイスラエルへの石油禁輸をイスラム諸国に呼びかけたことが原油高の背景にあり米国債利回りを押し上げている。実際、イスラエルの石油輸入は世界的供給の観点で見ると小規模なため、需給のバランス上の影響はほぼ無い。ただ、原油価格が反応したことを考慮すると、市場は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争の規模拡大及び長期化などを懸念したのだろう。それだけ地政学リスクに過敏になっている以上、ドルを積極的に買う理由は乏しい。

そして、昨日は触れなかったが、米金利上昇にもかかわらずドルを買わない理由として、中東情勢緊張化に伴う米国議会の根回し遅延があると考える。

9月末に、米議会上下両院は政府のつなぎ予算を可決したが、この後、共和党強硬派を押さえつけて民主党と妥協した共和党のマッカーシー下院議長は、下院議長として史上初の「解任」となった。現在、下院議長は空席のままのため、下院での立法作業は停止中だ。下院議長選は既に2回行われているが、共和党の造反者も多く、議長候補に指名されたジム・ジョーダン氏は選出に必要な票を獲得できていない。

9月末に可決した法案の期限は、11月17日までと既に一か月を切っている。市場では、11月中旬に、再び米議会の混乱が発生して米国債の格付け不安を招くと先読みしているのだろう。こうした懸念もあることから、米国債利回りは上昇しやすいが、ドル買いにはつながっていない、と考える。

今晩の海外時間は中東情勢緊張化のほか、本日も実施される予定の米下院議長選を見極める展開となろう。ジョーダン氏が議長に選出されれば、瞬間的に150円台に乗せる場面もありそうだ。ただ、中東情勢緊張化と、政府・日銀による為替介入警戒は残ることから、150円台定着は難しいだろう。上値メドは150円20銭、下値メドは149円30銭とする。

東京市場のドルは150円手前の膠着、米下院議空席もドルの重しか?

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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