ドル底堅い、ただ150円は近くて遠い存在か
〇本日のドル円、149.50-70といった20ポイント強の値動きに終始、横這い商状
〇リスクは引き続きドル高方向にバイアスが掛かるものの、150円が近くて遠い存在、上げ渋る展開
〇3営業日近くわずか50銭レンジにとどまる、当面は149円台中心の1円程度のボックス相場継続の可能性
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.20-149.90、ドル高・円安方向は先週末高値の149.84が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値149.37をめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場は引き続き小動き。本日も値幅はわずか20ポイント強にとどまる、横這い商状だった。
ドル/円は149円半ばで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。149.50-70円といった20ポイント強の値動きに終始している。ここのところ日本株は連日のように荒れ模様。昨日終値ベースで600円以上下落した日経平均株価は、本日400円近い反騰高をたどるも、為替市場への波及的影響は限定的だった。16時現在では149.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「パレスチナ情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、依然としてパレスチナ情勢が市場の関心を集める。ちなみに昨日は、ブリンケン米国務長官が訪問先のテルアビブでイスラエルのネタニヤフ首相と会談を行っていた際に空襲警報が発令され、一時的に地下の防空壕に避難するという、なかなか緊迫した状況が伝えられていた。そうしたなか、欧米諸国要人のイスラエル訪問が続いているようで、17日にはドイツのショルツ首相、18日にはバイデン米大統領が訪問する予定となっている。
対して後者は、中国で開催される「一帯一路」会議に参加するためロシアのプーチン氏が訪中。そのなか、中国と歩調を合わせる格好で、「日本産水産物の全面禁輸」を明らかにしていた。一方、西側諸国から制裁を受けている軍備問題と関連し、シルアノフ財務相が「現時点でロシアが使用するドローン(無人機)は主に中国から調達している」と発言。また、それとは別に英王立防衛安全保障研究所が、衛星写真の分析を基に「ロシア籍の船舶2隻が8月中旬以降、北朝鮮とのあいだを少なくとも5回往復していた」と発表し、かなり早い段階から北朝鮮によるロシアへの武器供給が行われていた可能性を示唆していた。
<< 欧米市場の見通し >>
依然としてリスクという意味ではドル高方向にバイアスが掛かるものの、ドル/円は150円が近くて遠い存在。上げ渋る展開が続いている。実際、時間足など短期のチャートを見ると先週12日のNY時間終盤以降は149.37-84円といった値動き。すでに3営業日近くも、50ポイントレンジをたどっているわけだ。さすがに、わずか50銭という非常に狭いレンジ取引が長く続くとは思わないが、それでもしばらくは149円台を中心とした1円程度のボックス相場が続く可能性を否定できない。
月末に予定されている日米の政策金利発表が注視され、足もとはそれをにらんだ値動き。そうしたなかでは、19日に予定されているパウエルFRB議長の講演がもっとも関心を集めているようだ。なお、本日はこれまで同様、米経済指標や要人発言に一喜一憂しつつも、基本的にはレンジ取引か。ただ、中東地域への地政学リスクの高まりなどは波乱要因として頭の片隅にでもとどめておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は中期的なドル高リスクを残すなか、短期的には方向性を欠く動き。実際、前述したようにすでに3営業日近くも、50ポイントレンジにとどまっている。したがって、まずは足もと形成している149.37-84円という短期レンジを、上下どちらに放れるのかにまずは注目だ。ただし、放れたとしても最終的には「行って来い」。元のレンジに回帰するとの見方もある。
本日は米経済指標として、9月の鉱工業生産や同設備稼働率などが発表されるうえ、欧米通貨当局者の発言機会も引き続き多く予定されている。また、金融機関を中心とした米企業決算の発表、前述したショルツ独首相によるイスラエル訪問などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.20-149.90円。ドル高・円安方向は先週末高値の149.84円が最初の抵抗。超えれば150円、そして150.16円を目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の149.37円をめぐる攻防にまずは注目。下回るといよいよ149円近くまで達してきた移動平均の21日線が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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