方向性乏しい、米指標発表受けた動意を期待
〇ドル円、148.70レベルで寄り付きドル売り優勢から148.40-45へ軟落
〇目先の底入れ後は一転ドルは買い戻され日経平均株価の上昇を材料に、149円近くまで連れ高推移
〇トレンドレスで149円挟みの値動き続くか。原油市況に多大な影響を及ぼすパレスチナ情勢には要注目
〇本日、MBA住宅ローン申請指数や9月PPI等の米経済指標発表や9月米FOMC議事要旨公表が予定される
〇ドル高円安方向は東京時間で超えられなかった149円そして昨日高値149.10の攻防に注目
〇ドル安円高方向は、148円半ばまで切り上がってきた21日MAが最初のサポート
〇欧米時間のドル円予想レンジは148.20-149.20
<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場はドルが小じっかり。しかし上値は重く、149円台へと乗せることは出来なかった。
ドル/円は148.70円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。148.40-45円へと軟落している。しかし、目先底入れ後は一転ドルの買い戻し。さすがに前日ほどとはいかなかったが、それでも日経平均株価が一時200円を超える上昇をたどったことを材料に、ドル/円も149円近くまで連れ高推移。16時現在ではそのままドル高値圏を維持し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「パレスチナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、「イスラム組織ハマスによるイスラエルの大規模攻撃」を皮切りとしたパレスチナ情勢が引き続き思惑を呼ぶ。バイデン米大統領からの「イスラエルの対抗措置」支持発言などが聞かれるなか、イスラエル国防相からは「ハマス総攻撃」を宣言するコメントも聞かれるなど、引き続き情勢には要注意だ。なお、時事通信によると「パレスチナ情勢受け、アジア歴訪中の米超党派議員団の訪日が急遽中止に、帰国する見込み」とされ、日本への間接的な影響も観測されていた。
対して後者は、国慶節の大型連休が明けた中国において、棚上げされていた不動産セクターで幾つか興味深い動きが観測されている。そのひとつは、碧桂園が事実上のデフォルト宣言をしたとも言える「オフショア債務のすべての利払いを行うことはできないと警告した」こと。またロイターは、「佳兆業集団が、自社が清算に追い込まれた場合、債権者が取り戻せる資金は5%未満になると説明している」と報じていた。いよいよ予断を許さない情勢だ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、形成していた148.27-149.54円という小レンジを、昨日東京で一時底割れするもそののち回帰。つまり、小レンジを下方向に10ポイントほど拡大させただけで終了している。以降、本日東京ではそんな新レンジ148.17-149.54円のなかの値動きをたどっており、基本的にはトレンドレス。いましばらく、149円挟みで方向性の乏しい展開が続く可能性もある。
引き続き日米などの金融政策についての関心が高いなか、発表される経済指標や要人発言などに一喜一憂する展開か。とくに本日は9月の生産者物価指数、明日に同消費者物価指数が発表される見込みで、そちらを警戒する向きも少なくない。また、原油市況に多大な影響を及ぼしている「パレスチナ情勢」にも注目で、それと関連して実施されるロシアとサウジの「石油市況関連協議」の行方などにも一応要注意だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は当初形成していた1円レンジ(148.27-149.31円)を1.4円レンジへと上下ともに拡大させたものの、結局はトレンドレス。依然として149円挟みの値動きを続けている。注目の米インフレ指標が今日、明日と発表されるだけに予断を許さないものの、それでも基本的にはレンジ取引継続か。また、仮に抜けることが出来ても最終的には元のレベルへ回帰するといった見方をする声も取り沙汰されていた。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数や9月の生産者物価指数などが発表されるうえ、9月米FOMCの議事要旨が公開される予定だ。ともに内容如何では市場の波乱要因となりかねない。また、米通貨当局者による講演などの発言機会も多く、発せられるコメントには引き続き要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.20-149.20円。ドル高・円安方向は月曜日から本日まで、少しずつドルの高値が切り下がっていることが気掛かり。そうした意味では、本日東京で超えられなかった149円そして昨日高値149.10円の攻防に注目だ。
対するドル安・円高方向は、148円半ばまで切り上がってきた移動平均21日線が最初のサポートに。昨日はザラ場ベースで一時割り込んだものの、NYクローズでは上回っている。本日のNYクローズにも注目だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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