ドルは148円台後半で推移、米CPI発表を前に基本小動きだが、中東情勢はきな臭い(23/10/11)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、12日の米消費者物価指数(CPI)を前に様子見ムードが強まり、148円台後半でのもみ合いとなった。

ドルは148円台後半で推移、米CPI発表を前に基本小動きだが、中東情勢はきな臭い(23/10/11)

ドルは148円台後半で推移、米CPI発表を前に基本小動きだが、中東情勢はきな臭い

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、12日の米消費者物価指数(CPI)を前に様子見ムードが強まり、148円台後半でのもみ合いとなった。

昨晩の海外時間では、混乱する中東情勢をにらんだ展開となり、米10年債利回りは4.6%台半ばでのもみ合いに終始。米株高などを材料に149円台を回復していたドルは、12日の米CPI発表を前に上値が重くなり失速し、148円台半ばまで値を戻した。

東京時間も大きな流れは変わらず、20日移動平均線(MA)をサポートに148円台半ばから後半で推移した。朝方比では30銭ほどドル高推移となったが、昨日から続いている全銀ネットのシステム不具合なども心理的な重しとなり、積極的にドルを買い上げるような動きは限定的となった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:148円62銭
高値:148円98銭
安値:148円43銭
終値:148円93銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円62銭
高値:157円94銭
安値:157円52銭
終値:157円88銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円58銭
高値:95円73銭
安値:95円50銭
終値:95円53銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円63銭
高値:183円02銭
安値:182円59銭
終値:182円96銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31847円10銭
高値:32037円07銭
安値:31804円09銭
終値:31936円51銭(前日比+189円98銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時15分、米、ボウマンFRB理事がIMF世銀年次総会討論会に参加
21時30分、米、生産者物価指数(前月比)、前回:0.7%、市場予想:0.2%
21時30分、米、生産者物価指数(食品・エネルギー除くコア)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.2%
21時30分、米、生産者物価指数(前年比)、前回:1.6%、市場予想:1.6%
21時30分、米、生産者物価指数(食品・エネルギー除くコア)(前年比)、前回:2.2%、市場予想:2.3%
25時15分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
27時00分、米、FOMC議事録(9月20日開催分)
29時30分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁が講演

※IMF世銀年次総会(15日まで)
※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能しつつある。心理的な節目である150円が目先の上値抵抗ラインとなりつつある。右肩上がりだったボリンジャーバンドの上限レンジも上げ一服となっており、徐々に上値の重さが意識されつつある。

米政府高官の発言を受けて、年内金利据え置きムードが強まっている。CMEが算出するFedWatchでは、10月31日ー11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、5.25%ー5.50%の据え置き予想が8割、12月13日の同会合では、同じく据え置き予想が7割とこの1週間でだいぶ利上げムードはトーンダウンしている。市場は政府高官の発言に一喜一憂するため、さほど気にしなくていいと考えるが、ドル買いを手控える材料としては十分だ。

一方、「有事のドル買い」の存在は注目しておきたい。中東情勢は混迷を極めていることから、ドルだけではなく、原油、金などのコモディティ、はたまたビットコインまでその影響は波及すると考える。安全資産の代表格である金は、今年3月以来の安値からのリバウンドを試す格好だ。また、原油はWTIが1バレル86ドル台まで上昇し50日MAを回復。こちらも「買い」の反応を見せている。

金、原油ともにドルの動向と密接な関係があることから、今後の中東情勢は要注目と言えよう。特に、イランの最高指導者ハメネイ師は「ガザの人々の虐殺と大量殺戮は、イスラエルにより大きな災いをもたらすだろう」と述べており、イランが関与する可能性も十分ある。大国イランが関与となれば、米国も空母を派遣するなど抑止に動かざるをえないため、イスラエル対ハマスという国同士の小さな構図ではなくなる。今のところ目立った「有事のドル買い」は観測されないが、米金利が低下したわりにドルがしっかりしていることを考慮すると、一定のドル買いは入っていると考える。

今晩の海外時間は、20日MAをサポートに、9月のCPI待ちのもみ合い相場を想定する。昨日同様、動意材料は中東情勢と政府高官の発言と考える。今晩の上値メドは149円30銭、下値メドは148円50銭とする。

ドルは148円台後半で推移、米CPI発表を前に基本小動きだが、中東情勢はきな臭い

ドル円日足

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