ドル円、中東情勢緊迫化に端を発したリスク回避ムードの高まりとハト派な米当局者発言で下落(10/10朝)

週明け9日(月)のドル円相場は冴えない動き。

ドル円、中東情勢緊迫化に端を発したリスク回避ムードの高まりとハト派な米当局者発言で下落(10/10朝)

中東情勢緊迫化に端を発したリスク回避ムードの高まりとハト派な米当局者発言で下落

〇ドル円、中東情勢緊迫化、FRB関係者のハト派発言に米国時間午後にかけ、148.43まで急落
〇ユーロドル、有事のドル買いに欧州時間に1.0519まで下落後、米金利低下に1.05台後半を回復
〇ドル円、下方に複数のサポート並び、強い買いシグナルも継続、地合い崩れず
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待が支えに
〇ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.75ー149.25

海外時間のレビュー

週明け9日(月)のドル円相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値149.25まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)中東情勢を巡る地政学的リスクの高まり(ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃に端を発した両者の大規模衝突)や、(2)上記1を背景とした世界的なリスク回避ムード(リスク回避の円買い圧力)、(3)ダラス連銀ローガン総裁による「米債利回りの上昇は利上げの必要性を減らすかもしれない」とのハト派的な発言、(4)ジェファーソンFRB副議長による「利回り上昇の引き締めへの影響に留意」とのハト派的な発言、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが約1週間ぶり低水準となる4.62%へ急低下)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値148.43まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/10午前5時20分現在)では、148.50前後で推移しております。

週明け9日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0575まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前週末金曜日高値1.0601を背にした戻り売り圧力や、(2)中東情勢緊迫化に端を発した地政学的リスク、(3)上記2を背景としたリスク回避のドル買い圧力(有事のドル買い)、(4)ドイツ8月鉱工業生産(結果▲2.0%、予想▲1.5%、※前年比)の市場予想を下回る結果、(5)ラトビア中銀カザークス総裁による「大幅な利上げサイクルは終了している」「インフレ見通しが2%を下回ってきたら利下げを開始できる」とのハト派的な発言が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0519まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米当局者によるハト派的な発言や、(7)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10/10午前5時20分現在)では、1.0568前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は前週末金曜日に記録した戻り高値149.55をトップに反落に転じると、昨日は一時148.43まで下落しました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイント(21日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表基準線、雲上限など)が並んでいることや、強い買いシグナル(一目均衡表三役好転、強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンド)が複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目。このままずるずると下落し続ける可能性は低い)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(米FRBによる金融引き締め長期化観測と日銀による金融緩和の長期化観測)と、それに伴う円キャリートレードの継続期待(日米金利差拡大→ネガティブキャリーとなるためドル円ショートをオーバーナイトで保有しづらい)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は5・10日となるため、日本時間9:55に予定されている公表相場決定にかけてのドル不足(ドル買い・円売り)に警戒が必要でしょう。また、海外時間帯は米8月卸売売上高以外に目立った経済イベントが予定されていないため、米当局者発言(アトランタ連銀ボスティック総裁、ウォラーFRB理事、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁など)や、中東情勢を巡る続報に振り回される展開となりそうです。

本日の予想レンジ:147.75ー149.25

注:ポイント要約は編集部

中東情勢緊迫化に端を発したリスク回避ムードの高まりとハト派な米当局者発言で下落

ドル円日足

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