ドル円、米経済指標の力強さを背景に年初来高値を更新。心理的節目150円が射程圏内に(10/3朝)

週明け2日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、米経済指標の力強さを背景に年初来高値を更新。心理的節目150円が射程圏内に(10/3朝)

ドル円、米経済指標の力強さを背景に年初来高値を更新。心理的節目150円が射程圏内に

〇ドル円、米国時間朝方にかけて、年初来高値149.91まで上昇
〇米政府機関の閉鎖回避に伴う安堵、日銀短観の好結果を受けたリスク選好、米指標好調等が背景
〇ユーロドル、米国時間朝方にかけて、約9カ月ぶり安値となる1.0486まで急落
〇ドル円、上方にレジスタンス無く下方に無数のサポートポイントあり、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待が支えに
〇引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:149.25ー150.75

海外時間のレビュー

週明け2日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値149.43まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米政府機関の閉鎖回避に伴う安堵感や、(2)日銀短観・大企業製造業DI(結果+9、予想+6、前回+5)の市場予想を上回る結果、(3)日銀短観・非製造業DI(結果+27、予想+24、前回+23)の力強い結果(約32年ぶり高水準)、(4)上記2、3を背景としたリスク選好の円売り圧力、(5)米9月製造業PMI(結果49.8、予想48.9)の市場予想を上回る結果、(6)米9月ISM製造業景況指数(結果49.0、予想47.9)の市場予想を上回る結果、(7)上記5、6を背景とした米長期金利の急上昇、(8)直近高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、年初来高値149.91(昨年10/21以来の高値圏)まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(9)心理的節目150.00を背にした戻り売り圧力や、(10)政府・日銀による為替介入警戒感、(11)米主要株価指数の冴えない動きが重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/3午前5時00分現在)では、149.80前後で推移しております。

週明け2日(月)のユーロドル相場は冴えない動き。欧州時間朝方にかけて、高値1.0592まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ドイツ9月製造業PMI(結果39.6、予想39.8)の市場予想を下回る結果や、(2)デギンドスECB副総裁による「現行金利はインフレ目標の達成に役立つ」「インフレ率は今後数カ月間低下する見込み」とのハト派的な発言、(3)米経済指標(米9月製造業PMIや、米9月ISM製造業景況指数)の良好な結果、(4)上記3を背景とした米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間朝方にかけて、約9カ月ぶり安値となる1.0486(1/6以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/3午前5時00分現在)では、1.0488前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は年初来高値を更新し、約1年ぶり高値圏(149.91)へと急伸しました。日足ローソク足が全てのテクニカルポイントの上側に位置していること(アップサイドにレジスタンスポイントなし。ダウンサイドに無数のサポートポイントあり)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強い(心理的節目150.00や、昨年高値151.95の突破は時間の問題)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(米FRBによる金融引き締め長期化観測 vs 日銀による金融緩和の長期化観測)や、それに伴う円キャリートレードの継続期待など、ドル円相場の上昇を連想させる好材料が揃っています。

政府・日銀による介入警戒感が都度上値を抑制する可能性はあるものの、昨年高値151.95に届く前に実弾介入に踏み切る可能性は乏しいと見られることから、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(昨日も鈴木財務相による「ドル円相場の年初来高値更新について注意しながら見ている」との円安牽制発言や、松野官房長官による「為替相場は安定的に推移することが重要」「高い緊張感を持ってしっかり対応していく」との円安牽制発言が見られましたが、いずれに対しても市場の反応は限定的→口先介入が何度も繰り返されていることで市場の感応度が著しく低下)。

尚、本日は日本時間23時に発表される米8月JOLT雇用動態調査に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、堅調な労働市場→インフレ継続→米FRBによる金融引き締め長期化観測→米金利上昇→米ドル買いの経路で、心理的節目150.00を一気に突破し、昨年高値151.95トライに向けて拍車がかかる恐れもあるため、本日は米国時間帯のアップサイドリスクに特に警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:149.25ー150.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米経済指標の力強さを背景に年初来高値を更新。心理的節目150円が射程圏内に

ドル円日足

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