ついに149円台乗せ、ドル高基調は継続
〇本日のドル円、終盤に掛けて米金利上昇などを材料にドルが買い進まれ、149.20レベルまで上昇
〇148円突破後、本日149円突破までに要した時間は1週間弱、上昇スピードがやや速まりつつあるか
〇基本的なリスクはドル高方向、次なるポイントは節目の150円だが、一時的な振り落としの動きにも注意
〇ドル円予想レンジは148.50-149.50、ドル高・円安方向は本日東京高値149.20レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、ごく短期的には149円割れがあるか気に掛ける向きも
<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場はドルが続伸。とくに終盤に上げ幅を拡大させ、149円台へと乗せてきた。
ドル/円は148.85-90円で寄り付いたものの、当局の介入警戒感もあり上値は重い。149円を前に上げ渋る展開が続いていた。そうしたなか、鈴木財務相から「過度な為替変動に対してはあらゆる選択肢排除せず適切に対応」といったコメントも聞かれている。しかし、終盤に掛けては米金利が上昇に転じたことなどを材料にドルが買い進まれると、ついに149円超え。149.20円レベルまで上昇し、16時現在でもそのまま高値圏で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制の動き」と「米連邦債務上限問題」について。
前者は、ドル高・円安の流れ止まらず。前述したように、本日東京時間ついに149円台へ。そうしたなか、昨日夜半には岸田首相が「岸田首相、緊張感持って為替市場を注視」と発言。それに続く格好で本日東京時間には鈴木財務相から先の発言に加え、「過度な変動が好ましくないということについて海外当局とも共有している」とのコメントが聞かれていた。150円も現実的なメドとして視界内に捉えられつつあることで、多少なりとも切迫感も高まってきた感は否めない。市場は実弾介入が観測されるレベル探し、新たな円安シーリングを模索しているとの指摘も聞かれていた。
対して後者は、格付け会社ムーディーズ・インベスターズが、米連邦債務上限問題と絡め、「米政府機関が閉鎖されれば米国の信用格付けにネガティブに反映されるだろう」と指摘したとして一時話題に。そんなムーディーズと歩調を合わせるかのように、米国内でも危機を指摘する声が強まってきた。たとえば、米農務長官は「政府機関が閉鎖されれば700万人分の食糧給付が危うい」と発言。また、ロイターは米当局者が「雇用統計など主要指標の発表が無期限停止となる可能性もある」と述べたと伝えていた。広い範囲で悪影響を及ぼす可能性ある。果たして土壇場での合意となるのか、引き続き米議会の情勢にも要注意だ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、2週間程度続けてきたレンジ取引の上限148円を超えたのち、幾分か上昇スピードが速まりつつあるかもしれない。148円突破後、本日東京で149円突破までに要した時間は1週間弱だ。これが当局筋の指摘する「過度の変動」には当たるかどうかは定かでないが、このまま滞りなく150円に接近といった展開をたどるとなれば、危険性は一気に高まるだろう。
先週までに明らかになった日米の金融政策スタンスなどを材料に、為替市場では改めてドル買い・円売りが優勢となっているようだ。発表される米経済指標に対して一喜一憂しつつも、基本的なリスクはドル高方向で間違いなさそう。そうしたなか死角があるとすれば、先でも取り上げた「新会計年度が始まる10月1日から米国の政府機関が一部閉鎖に陥るリスクが高まっているところ」か。これまでの経験則を鑑みれば、土壇場でつなぎ予算案が可決される可能性は高そうだが果たして如何に。
テクニカルに見た場合、ドル/円は2日連続の年初来高値更新。また、これまでの「牛歩」から上昇スピードが少しアップした感もある。148円を超えたあとの上値メドとしていた148.80円もすでに上抜けており、次なるポイントは節目の150円。一時は「近くて遠い存在」だと思っていたのだが、気が付くとすでに1円を切っている。
ただし、先週21日に観測されたような、一時的な振り落としの動きにも注意しておきたい。
本日は米経済指標として、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表される予定となっている。またボウマンFRB理事のイベント挨拶や、昨日も日中の緊迫したやり取りが観測された、IAEA総会2日目などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.50-149.50円。ドル高・円安方向は本日東京高値の149.20円レベルの攻防に注目。超えれば150円も薄らと視界内に。
対するドル安・円高方向は、ごく短期的には149円割れがあるか否かを気に掛ける向きもあるようだ。それを下回ると東京安値148.70円レベル、そして昨日安値148.26円などがターゲットか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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