ドル円、年初来高値を連日更新。節目149円の大台突破に成功するなど地合いの強さが鮮明に(9/27朝)

26日(火)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、年初来高値を連日更新。節目149円の大台突破に成功するなど地合いの強さが鮮明に(9/27朝)

ドル円、年初来高値を連日更新。節目149円の大台突破し、地合いの強さ鮮明に

〇ドル円、アジア時間の高値149.19から反落、一時148.75まで下押し。149円前後での取引
〇鈴木財務相による円安牽制発言、株式市場の冴えない動きが重石に
〇ユーロドル米国時間朝方にかけ高値1.0609まで上昇するも、午後1.0562まで急落
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上側で推移、買いシグナルも継続、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続が支え
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:148.50ー150.00

海外時間のレビュー

26日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値148.70まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)本邦輸入企業の実需のドル買い(買い遅れた実需筋による目線引き上げ)や、(2)日米金融政策格差に着目したドル買い・円売り(日米金利差拡大→円キャリートレード継続)、(3)心理的節目149.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間午後にかけて、年初来高値149.19(昨年10/24以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(5)株式市場の冴えない動き(日経平均株価の急反落→リスク回避の円買い圧力)、(6)鈴木財務相による「高い緊張感をもって市場動向を見ている」との円安牽制発言(政府・日銀による介入警戒感)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、一時148.75まで反落する場面も見られました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)米7月ケースシラー住宅価格指数(結果+0.8%、予想+0.4%)の市場予想を上回る結果や、(8)米9月リッチモンド連銀製造業指数(結果5、予想▲7)の市場予想を上回る結果、(9)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが2007年10月以来の高水準となる4.56%へ上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間9/27午前5時00分現在)では、149.02前後まで持ち直す動きとなっております。

26日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。(1)急ピッチな下落に対する反動買い(自律反発)や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)ユーロクロスの堅調推移(ユーロポンドやユーロカナダが上昇→ユーロドル連れ高)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0609まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)欧米金融政策格差に着目したユーロ売り・ドル買いや、(5)直近安値・下方ブレイクに伴う仕掛け的なユーロ売り圧力、(6)欧州株の冴えない動き、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(7)エストニア中銀ミュラー総裁による「現状はこれ以上の利上げを予想していない」とのハト派的な発言が重石となり、米国時間午後にかけて、約6カ月半ぶり安値となる1.0562まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/27午前5時00分現在)では、1.0571前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は年初来高値を連日で更新し、昨年10/24以来、約11カ月ぶり高値となる149.19まで続伸しました。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限)の上側に位置していること(アップサイドにレジスタンスポイントが見当たらないこと)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(前週開催された米FOMCおよびSEPは予想以上にタカ派的な内容→米10年債利回りが2007年10月以来の高水準となる4.56%へ急上昇→ドル買い安心感)や、(2)日銀による金融緩和の継続観測(前週開催された日銀金融政策決定会合および植田日銀総裁記者会見はハト派的な内容→本邦10年債利回りは9/21に記録した0.77%をトップに低下傾向→円売り安心感)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続)など、ドル円相場の一段の上昇を連想させる材料が揃っています。

政府・日銀による口先介入の影響は弱まりつつあるため(昨日も鈴木財務相による円安牽制発言が複数回見られましたがドル円相場の反応は限定的→市場参加者の中では、政府・日銀は昨年高値151.95を抜けてくるまでは実弾介入に踏み切らないとの見方がコンセンサス)、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目150.00突破は時間の問題)。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米8月耐久財受注速報値、米5年債入札などが予定されております。

本日の予想レンジ:148.50ー150.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、年初来高値を連日更新。節目149円の大台突破し、地合いの強さ鮮明に

ドル円日足

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