ドル円148円台前半、FOMC受け高値更新するも政府の牽制等に反落
21日午前の東京市場でドル円は高値更新後に反落。未明のFOMCの結果にドル円が急伸した流れを受け、朝方、148.31レベルで取引の始まったドル円は、序盤はほぼ一方向で値を上げて、148.46の高値をつけました。しかし、松野官房長官が、市場の動向を緊張感をもって注視し、「過度な変動に対しあらゆる選択肢を排除せず適切な対応をとりたい」「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」等発言したとロイターなどが報じると、反落。一時148.18まで値を下げた後、東京時間正午現在は148.27レベルで取引されています。
日経平均株価は、FOMCのタカ派的内容に、米国での金融引き締めがこれまでの想定より長引くとの見方が広がり株価が下落した流れを受け、売りが先行。米市場では金利上昇の影響を受けやすい情報技術系銘柄中心のナスダック総合指数の下げが目立ったことから、本邦でも情報技術系銘柄が下げを主導。公益事業を除く全業種で下げ、376円安で午前の取引を終了しています。
注目された米FOMCでは、市場予想通り政策金利の据え置きが決まりましたが、同時に発表された経済見通しで、2023年と24年のGDPの上昇率を上方修正。金利見通しでは年内もう一回の利上げが不変だったことに加え、24年末と25年末の政策金利見通しがそれぞれ0.5%引き上げられました。
これらを受けて市場では、米国の金融引き締めがこれまでの予想以上に長引くとの見方が広がり、米長期金利が上昇。米10年債利回りは本日午前に4.44%をつけています。ドル円は結果公表前に147.47まで軟化していましたが、公表後は急反発して148円乗せ。148.30レベルで東京時間につないでいます。
FOMCはほぼ予想通りの内容となりましたが、24、25年末の大幅な金利見通し引上げがサプライズとなりました。その割にはドル買いの進行が現状小幅なものにとどまっているのは、本邦当局の介入への警戒感と、明日結果が公表される日銀会合の結果を待ってのことと思われます。今回日銀は政策等変更せずに一旦様子を見るとの見方が優勢となっていますが、予想通り無風で通過すると、円売りドル買いが再度強まるリスクが高く、要警戒です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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