米FOMCを注視、ドル高進展の行方に要注意
〇ドル円、NY時間にFOMCを控え基本的には売買手控えムード、ドルは底堅く147円後半での強保ち合い
〇金利据え置き見通しが優勢のFOMC、年内あと1回の追加利上げの可能性継続でタカ派的トーン維持か
〇中国不動産大手「融創中国」、先月の「恒大集団」に引き続きNYで米連邦破産法第15条の適用を申請
〇ドル高・円安方向の上値めどは148.80レベル、超えると150円超えも視界内
〇ドル安・円高方向は、2日続けて下値となった147円半ばが最初のサポート、下回ると147.34を目指す
〇欧米時間のドル円予想レンジは147.20-149.00
<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場はドルが小高い。148円には届かなかったが、147.95円の年初来高値に面合わせする局面も観測されていた。
ドル/円は147.85円前後で寄り付いたものの、基本的には売買手控えムード。NY時間には注目の米FOMCを控えていることもあり、積極的な動意は見送られている。しかし、そうしたなかにおいてもドルは底堅く、147円後半での強保ち合い。一時147.95円へと値を上げ、年初来高値に面合わせする局面も観測されている。16時現在では147.90-95円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「為替政策」と「中国情勢」について。
前者は、ドル/円の上値は重いものの、それでも前述したような年初来高値に近いレベルで推移するなか、イエレン米財務長官が「為替レートの水準に影響を及ぼすことでなく、ボラティリティーを滑らかにするスムージングが目的であれば理解できる」などと発言。為替介入に一定の理解を示したと解釈され話題に。また、そののち神田財務官から「行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取る」、「米当局とは緊密に意思疎通を図っている」などとするコメントも聞かれていたようだ。
対して後者は、8月17日に「恒大集団」がNYで米連邦破産法第15条の適用を申請したことに続き、昨9月19日には「融創中国」が同じ破産法15条の適用申請を行ったと伝えられている。一方、ブルームバーグは「碧桂園のドル建て債保有者、18日期限の利払い受けとれず」などと報じており、中国不動産市況の深刻さが再認識されていた。そうしたなか、中国外相から「ロシアとの戦略的協調を強化する」との決意表明が聞かれたうえ、インタファクス通信は「ロシアのプーチン大統領が10月に中国を訪問し習国家主席と会談する」と報道。中露の関係深化の流れが依然として続いていると言えよう。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、依然としてぎりぎりレンジ内。148円レベルがともかく重く、超えられない状態が続いている。ただ、リスクがドル高方向に高いことは間違いなさそうで、148円を超えればオプション絡みのストップロスなどを巻き込み、値が跳ねるといった見方も一部で取り沙汰されていた。ちなみに、テクニカルに見たドルの次の上値メドは148.80円レベルだが、勢いがつけばそのレベルでは止まらないかもしれない。
日米の金融政策を注視している向きが多いなか、本日のNY時間にいよいよ米FOMCの結果が発表される予定だ。そんな米FOMCについては「金利据え置き」見通しが優勢だが、「年内あと1回の追加利上げの可能性を継続」するなど、トーンとしてはタカ派が維持されるとの見方が一般的か。なお、先でも指摘したイエレン米財務長官や神田財務官の発言から、ドル高進行時の円買い実弾介入を警戒する向きも少なくなかった。
テクニカルに見た場合、ドル/円は145.90-148.00円という2円強レンジに何とかとどまっているものの、上抜けはすでに時間の問題か。遅くとも米FOMC前後には、しっかり上抜けるといった見方も取り沙汰されていた。そんなドルの次の上値メドは148.80円レベルで、超えると150円の大台が名実とも視界内に。
一方で、当局の口先だけの円安けん制のみならず、実弾介入にも要注意だ。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数などが発表されるものの、基本はノーインパクトか。FOMCの結果発表、そしてその後のパウエルFRB議長会見が、市場の波乱要因として注視されていることは間違いない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.20-149.00円。ドル高・円安方向は近くて遠いなかなか超えられない148円レベルの攻防にまず注目。超えれば148.80円が意識され、それも超えると150円を目指す。
対するドル安・円高方向は、2日続けてドルの下値となった147円半ばが最初のサポートか。下回ると147.34円もサポートだが、勢いがつけば146円後半の移動平均の21日線程度までも押しはありそう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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