ドルは上抜け失敗、FOMCにらみレンジ継続も
〇本日ドル円、次の材料待ちで147円台前半のレンジ取引、16時現在147.10-15で推移
〇米CPI結果受け、今月FOMCでは利上げ見送り、11月か12月に追加利上げの可能性高まる
〇本日はECB理事会開催、金利据え置きが有力だが0.25%利上げの可能性も、ユーロ相場に注意
〇本日米国は8月の小売売上高、生産者物価指数発表
〇ドル円予想レンジは146.50-147.80、ドル高・円安方向は昨日ドル高値147.77が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、短期的なサポートとして機能しつつある147円レベルが最初の下値メド
<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は147円台前半の一進一退。注目の米消費者物価指数も昨日消化し、市場は次の材料待ちといった様相だった。
ドル/円は寄り付いた147円半ばが日中高値となり、やや冴えないものの下値も堅く147円は割り込めず。147円台前半でのレンジ取引、一進一退に終始している。前日に続き、147円台での推移をたどったが、本日も本邦要人からの円安けん制発言はとくに聞かれなかった。16時現在では147.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融情勢など」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、注目されていた8月の米消費者物価が13日に発表され前年比プラス3.7%と予想を上回る伸びを示したものの、コア指数は同4.3%と事前予想通りの結果となった。それを受け、市場ではやや弱気見通しが優勢となり、来週予定されている米FOMCでは「金利が据え置かれる」といった見方も取り沙汰されていたようだ。たとえばブルームバーグでは「今月の会合では利上げを見送り、11月か12月に追加利上げに踏み切る選択肢を残しておく可能性が高まった」−−と報じている。そうしたなか、FRBはジェファーソン理事が副議長に就任したと発表するなど、来週のFOMCを前に副議長を含む理事7人の空席がすべて解消されたことを明らかにした。
対して後者は、北朝鮮の金朝鮮労働党総書記が、13日にロシアのプーチン大統領と首脳会談を行った。軍事協力も議題となり、北朝鮮からロシアへの武器供与などで合意があった可能性が高いと報じられている。一方、ロシア通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官が、同国と北朝鮮の外相が10月に北朝鮮で会談すると述べたと伝えていた。しかし、プーチン大統領自身が平壌を訪問する予定はないという。
<< 欧米市場の見通し >>
飽くまでも、発表された米消費者物価指数が「好数字になったら」という条件付きではあったものの、結果的にドル/円相場はレンジを上放れられず。引き続き145.90-147.90円という2円レンジにとどまったままだ。油断は禁物だが、来週の米FOMCに市場の関心が移行しつつあるなか、しばらくは前述した2円レンジのなかでの一進一退をたどる可能性も否定できない。
市場では日米欧の金融政策を注視している向きが多いなか、本日はその先陣を切ってECB理事会が開催される。ちなみに、予想では「金利据え置き」が有力とされるが、「0.25%の利上げ」を見込む向きも決して少なくない。そのため「利上げ見送りならユーロ売り」といった見方も。いずれにしても、ECB理事会の前後などを中心にユーロ相場は波乱含みであるのかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は結果的に上抜けを失敗。また、筆者の信用しているデータでは週明けに空けた上方向のギャップも、あと数ポイントながら埋め切れていないところが気にかかる。147.70-80円はやはり相当重いだろう。
それに対する下値は、何度か取り上げている移動平均の21日線が一応のメド。146円半ば近くまでレベルを大きく切り上げており、しっかり下回るとトレンド転換も考慮する必要がある。
本日は米経済指標として、8月の小売売上高や同生産者物価指数などが発表される見込みとなっている。以前はそれほど注目度の高い指標ではなかったが、ここ最近は米生産者物価指数などでも市場が荒っぽい変動をたどることが儘あるだけに注意を払いたいところだ。またECBによる金融政策の発表ももちろん要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.50-147.80円。ドル高・円安方向は昨日のドル高値にあたる147.77円が最初の抵抗で、それを踏まえたギャップをめぐる攻防に引き続き注目だ。
対するドル安・円高方向は、本日東京で一度も割り込めないなど短期的なサポートとして機能しつつある147円レベルが最初の下値メド。下回ると21日線がターゲットとなる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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