東京市場のドルは147円前半、ECB発表後は連想買いが波及か?(23/9/14)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外で米10年債利回りが低下したことなどからドルは軟調に推移、147円台前半で取引を終えた。

東京市場のドルは147円前半、ECB発表後は連想買いが波及か?(23/9/14)

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外で米10年債利回りが低下したことなどからドルは軟調に推移、147円台前半で取引を終えた。

昨晩の海外時間では、米8月の消費者物価指数(CPI)が、総合CPI、コアCPIともに市場予想を上回ったことからドル買いが進み、年初来高値147円88銭手前の147円74銭まで上昇した。ただ、「米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに動く内容ではない」との見方が徐々に強まり、米10年債利回りは4.34%から4.23%まで下落。買い一巡後のドルは失速し、147円台半ばでの小動きとなった。

東京時間入りしても、米10年債利回りの低下は継続し、一時4.22%まで下落した。株式市場で日経平均が上げ幅を拡大し33000円台に乗せたものの、為替市場への影響は限定的。リスク選好のドル買いは入らなかったことから、147円台前半で推移した。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円31銭
高値:147円39銭
安値:147円02銭
終値:147円12銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円13銭
高値:158円20銭
安値:157円92銭
終値:158円12銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円61銭
高値:94円96銭
安値:94円50銭
終値:94円75銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:184円03銭
高値:184円06銭
安値:183円70銭
終値:183円88銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32925円54銭
高値:33244円45銭
安値:32851円24銭
終値:33168円10銭(前日比+461円58銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

21時15分、欧、ECB理事会が政策金利を発表、前回:4.25%、市場予想:4.5%
21時30分、米、小売売上高(前月比)、前回:0.7%、市場予想:0.2%
21時30分、米、小売売上高(自動車除くコア)(前月比)、前回:1.0%、市場予想:0.4%
21時30分、米、生産者物価指数(PPI)(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.5%
21時30分、米、生産者物価指数(PPI)(食品・エネルギー除くコア)、前回:0.3%、市場予想:0.1%
21時30分、米、生産者物価指数(PPI)(前年比)、前回:0.8%、市場予想:1.5%
21時30分、米、生産者物価指数(食品・エネルギー除くコア)(PPI)(前年比)、前回:2.4%、市場予想:2.2%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:21.6万件、市場予想:22.5万件
21時45分、欧、ラガルドECB総裁が記者会見

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。11日に20日移動平均線(MA)を一時下回ったが、即日で値を戻していることから強いトレンドは継続と考える。短期的なターゲットとして、年初来高値(9月7日、8日の147円88銭)を上抜き、150円台到達が意識されよう。

米CPIは、原油価格上昇の影響は大きいが、コアCPIも予想を上振れていることから原油価格以外の要因も少なからず存在する。ただ、CPIはそれなりに強い数字だったものの、米金利先高感を刺激するには至らなかった。今晩の米小売売上高を確認したい、という見方もあるだろうが、ドルよりユーロに市場の関心が向かっていると考える。

今晩21時15分に、欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表される。今週の11日ぐらいまでは、「今回のECB理事会では利上げ見送り」がコンセンサスだったものの、資源価格の上昇に対するインフレ警戒感が急速に強まったことから「0.25%の利上げ」が直前のコンセンサスとなりつつある。一方で、コンセンサスが急激に変化したにも関わらず、ユーロはさほど買われておらず、対円で158円台と8月30日の年初来高値159円80銭を2円ほど下回っている。つまり市場関係者の多くが、今回のECB理事会を「予測不能」と見ているのだろう。

今理事会のコンセンサスは0.25%の利上げとなっている一方、ユーロが主要通貨に対してさほど買われていないことから、コンセンサス通りの0.25%の利上げ実施でも、ユーロは買いが先行すると想定。対円では年初来高値及び160円台乗せの攻防も期待できよう。その後のラガルドECB総裁の記者会見の内容次第ではあるが、記者会見にて、資源価格上昇に伴うインフレ懸念が強く意識されるような発言があった場合、ドルも同じ懸念が意識されるだろう。今晩はユーロだけではなく、連想買いでドルが年初来高値を更新するかも注目したい。

今晩の海外時間では、上記の通りユーロ発のドル買いの展開を想定しておきたい。上値メドは148円20銭、下値メドは東京時間の安値を少し下回る146円80銭とする。

【本日の東京市場】

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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