トルコリラ円見通し ドル円の急伸を追いかけて3連騰(23/9/6)

トルコリラ円の9月5日は概ね5.56円から5.43円の取引レンジ、6日早朝の終値は5.51円で前日終値の5.47円からは0.04円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の急伸を追いかけて3連騰(23/9/6)

ドル円の急伸を追いかけて3連騰

〇トルコリラ円、9/1から9/5までドル円とともに3連騰、目先は連騰一服でやや下げやすい局面
〇対ドル、米長期債利回り上昇により全般ドル高優勢の中、9/4安値を割り込むことなく小動きに終始
〇リラが再び下落基調となっている背景にはリラ預金保護口座から外貨への流出が反映か
〇5.47を上回るうちは上昇余地ありとし、5.55超えからは5.60への上昇を想定
〇5.47割れからは5.45、5.42を順次試して行く下落を想定

【概況】

トルコリラ円の9月5日は概ね5.56円から5.43円の取引レンジ、6日早朝の終値は5.51円で前日終値の5.47円からは0.04円の円安リラ高だった。
8月24日にトルコ中銀が市場予想の3倍となる7.5%の超大幅利上げを決定したことをサプライズとしてトルコリラ円は直前の5.34円近辺から5.77円へ急伸したが、買い一巡後は揺れ返しのリラ安となり徐々に安値を切り下げてきた。しかし9月1日夜の米雇用統計を通過してドル円が反騰に転じたためにトルコリラ円はドル円の上昇を追いかけて上昇しており、9月1日から5日まではドル円とともに3連騰で戻している。

ドル円は9月1日夜の米雇用統計発表直後に144.44円へ急落してから反騰に転じて146円台を回復していたが、5日は豪中銀の利上げ見送りによる豪ドル安、米国連休明けの社債大量発行を警戒した米長期債利回りの大幅上昇等により147円台を回復、さらに6日未明には147.79円を付けて年初来高値を更新した。6日朝には神田財務官が円安けん制発言を行っており従来よりも厳しいトーンへ変わっているために市場介入への警戒感も出やすいところだ。
神田財務官は9月6日朝、財務省内で記者団取材に対して、「投機的な行動、ファンダメンタルズでは説明できないような動きが見られており、高い緊張感を持って注視している」とし、「昨年に続き、今年も急激な変動が起こっている。あらゆる選択肢を排除せずに適切に対応していく」と強調して市場をけん制した。
トルコリラ円はドル円を追いかけつつ、目先は連騰一服でやや下げやすい局面と思われる。

【対ドルでは利上げ後の急伸一巡による下落継続】

ドル/トルコリラの9月5日は概ね26.81リラから26.49リラの取引レンジ、6日早朝の終値は26.76リラで前日終値の26.74リラからは0.02リラのドル高リラ安だった。
トルコ中銀による超大幅利上げをサプライズとして直前の27リラ近辺から25.02リラへ急伸したものの、その後はリラ買いが一巡して急騰幅の解消へ向けてリラ安へと風向きが変わり、9月4日には26.92リラまで安値を切り下げた。
9月5日は米長期債利回り上昇により全般ドル高優勢の展開だったが、トルコリラは他市場の流れにさほど左右されず、4日安値を割り込むことなく小動きに終始した。

【トルコリラの保護預金口座から流出続く】

トルコ中銀と財務省は2021年12月のリラ暴落に際してリラ預金口座の為替差損を補填する保護預金制度(KKM)を導入し、1年毎の運用期間を延長してきたが、エルドアン大統領再選後に採用されたトルコ中銀のエルカン新総裁とシムシェキ財務相はKKM制度の縮小に着手し、KKMから通常の保護なしリラ口座への転換を促している。
KKM口座の凡そ20%が8月に解約された模様で、そのうちの3分の2が外貨預金へ流れ、3分の1が通常のリラ預金へ移行しており、個人および企業による外貨預金口座は47億8000万ドル増加し、KKM口座は400億リラ減少して3兆3700億リラとなったとされる。
8月24日のトルコ中銀による超大幅利上げで急伸したリラが再び下落基調となっている背景にはこうしたリラ預金保護口座から外貨への流出を反映していると思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月31日夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、31日夜高値を上抜く場合は直前安値をボトムとした強気サイクル入りとしていたが、9月1日夜の米雇用統計発表後に一段安してから31日夜高値に迫る急伸となったため、9月4日午前時点では1日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして4日の日中から6日午後にかけての間への上昇を想定した。
9月5日午前時点では5.45円以上を維持しているのでまだ上昇余地ありとしたが、5日深夜へ上昇してから反落気配のために弱気転換注意とし、5.47円割れからは弱気サイクル入りとして6日夜から8日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では9月5日深夜への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンを上抜いたため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、次に遅行スパンが悪化するところからは下落期入りとみて安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月5日深夜への上昇で70ポイントを超えてから60ポイント割れへ失速した。65ポイント超えからは上昇再開とするが、50ポイント割れからは下落継続とみて30ポイント前後をを目指す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5.47円を下値支持線、5.55円を上値抵抗線とする。
(2)5.47円を上回るうちは上昇余地ありとし、5.55円超えからは5.60円への上昇を想定する。5.57円以上は反落注意とするが、5.50円を上回っての推移なら7日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)5.47円割れからは5.45円、5.42円を順次試して行く下落を想定する。5.42円以下は反騰注意とするが、5.47円以下での推移なら7日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月7日
 20:30 週次 外貨準備高 9月1日時点 グロス (8月25日時点 759.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9月1日時点 ネット (8月25日時点 143.4億ドル)
 23:30 8月 財務省現金残 7月 (192.96億リラ)
9月11日
 16:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 1.6%)
 16:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 0.6%)
 16:00 7月 失業率 (6月 9.6%) 
 16:00 7月 経常収支 (6月 6.74億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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