ドル円見通し 8月30日夜以降の下げ幅を解消、レンジ拡張型の騰落続くか(23/9/5)

本日8時台には146.55円を付けて8月30日夜高値146.53円を捉え9月1日への急落幅を解消した。

ドル円見通し 8月30日夜以降の下げ幅を解消、レンジ拡張型の騰落続くか(23/9/5)

ドル円見通し 8月30日夜以降の下げ幅を解消、レンジ拡張型の騰落続くか

〇ドル円、9/4は米国市場休場で手掛かりに欠けたが、日中は146円台序盤を維持して確りと推移
〇夕刻から高値切り上げに入りNY時間に146.49へ上昇、9/5朝146.55を付け、8/30夜以降の急落幅解消
〇ドル円は三段上げ型の三段目に入ったところか、昨年8/2から10/21高値への上昇時に近い動き
〇146円台を維持するうちは、146.75超えから147円を目指す上昇を想定する
〇146円割れからは、戻り一巡による下落期入りを警戒して145.70台試しとする

【概況】

ドル円は8月29日夜に147.36円を付けて年初来高値としたところから29日夜の米JOLTS求人件数の3か月連続減少や米CB消費者信頼感指数の大幅な悪化により30日早朝安値145.64円へ急落し、その後も戻り高値を切り下げつつ145円台前半へ失速、9月1日夜の米8月雇用統計発表直後の急落で144.44円を付けたが、売り一巡後の反騰で2日未明高値146.29円へ急伸した。
9月4日は米国市場が休場で手掛かりに欠けたが、日中は146円台序盤を維持して確りと推移し、夕刻からは高値切り上げに入ってNY時間には146.49円へ上昇、本日8時台には146.55円を付けて8月30日夜高値146.53円を捉え9月1日への急落幅を解消した。

先週の米国経済指標発表を通過してFRBによる追加利上げの見送り感が強まってきているが、今後のインフレ指標次第では追加利上げの可能性が再浮上したり利上げ状態の長期化や利下げ開始時期の先送りへの懸念が強まる可能性もあるが、日銀の金融緩和に対する基本姿勢は変わらないとみて中長期的なドル高円安基調はまだ続くのではないかと思われる。当面は9月13日の米8月CPI(消費者物価指数)に注目が集まる。

【昨年8月2日から10月21日高値への上昇時に近い動き】

ドル円は今年1月16日安値を起点として3月8日高値までを一段目、3月24日安値から6月30日高値までを二段目とすれば、7月14日安値からの上昇で6月30日高値を超えたため、三段上げ型の三段目に入ったところと思われる。
6月30日高値から7月14日安値まで7.82円の下落幅となったところから切り返して一段高した状況は、昨年の7月14日高値から8月2日安値まで8.97円の下落幅から切り返して26日移動平均や一目均衡表の26日基準線を上抜き返して一段高へ進んだ時に近い動きと思われる。
昨年は9月22日に24年ぶりとなる政府・日銀による大規模な市場介入が行われて一時的に急落したものの10月21日高値へと一段高しており、今年はすでに昨年9月22日の介入時水準を超えているものの介入気配は見られないため、市場心理としては当局の円安容認限界を150円台到達時と考えて、口先介入を警戒しながらも徐々に高値の切り上げを試して行くのではないかと思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

短期的には8月17日高値146.54円から8月29日高値147.36円へ一段高する一方で、8月19日未明安値144.93円から9月1日夜安値144.44円へと安値が切り下がっており、146円弱の水準を中心値としてレンジ拡張型の持ち合いで騰落を繰り返していると思われる。
現状は持ち合いの中心値を超えてきているため、高値切り上げへと進めるか試すところであり、高値更新からは持ち合い上放れにより上昇が加速する可能性があるが、高値切り上げヘ進めずに146円以下へ下げるようだと、その後の安値切り下がりラインを試すところで下げが加速して持ち合い下放れへ進むことも警戒される。

60分足の一目均衡表では9月1日夜安値からの急反騰により遅行スパンが好転し、先行スパンも上抜いたが、その後も両スパンそろっての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。
先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンへ潜り込むところからは下落期入りを警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月1日夜の急落時に20ポイント台へ低下し、その後の反騰で60ポイント台を回復した。5日午前序盤も60ポイント台を維持しているのでまだ上昇余地ありとし、70ポイント超えからは上昇が勢い付く可能性もあるとみる。ただし、50ポイント割れから続落に入る場合は戻り一巡による下落期入りとみて30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、146.00円を下値支持線、146.75円を上値抵抗線とする。
(2)146円台を維持するうちは146.75円超えから147円を目指す上昇を想定する。147円手前は戻り売りも出やすいとみるが、146.35円以上での推移なら6日午前も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)146円割れからは戻り一巡による下落期入りを警戒して145.70円台試しとし、下げ足が速まる場合は145.50円前後試しへ下値目途を引き下げる。145.50円以下は反騰注意とするが、146円以下での推移なら6日午前も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

9/5(火)
10:30 (豪) 4-6月期 経常収支 (1-3月 123億豪ドル、予想 80億豪ドル)
10:45 (中) 8月 財新サービス業PMI (7月 54.1、予想 53.5)
13:30 (豪) RBA(豪中銀) 政策金利 (現行 4.10%、予想 4.10%)
16:55 (独) 8月 サービス業PMI・改定値 (速報 47.3、予想 47.3)
17:00 (欧) 8月 サービス業PMI・改定値 (速報 48.3、予想 48.3)
17:30 (英) 8月 サービス業PMI・改定値 (速報 48.7、予想 48.7)
18:00 (欧) 7月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (6月 -0.4%、予想 -0.6%)
18:00 (欧) 7月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (6月 -3.4%、予想 -7.6%)
23:00 (米) 7月 製造業新規受注 前月比 (6月 2.3%、予想 -2.5%)

9/6(水)
10:30 (豪) 4-6月期 GDP 前期比 (1-3月 0.2%、予想 0.3%)
10:30 (豪) 4-6月期 GDP 前年同期比 (1-3月 2.3%、予想 1.8%)
14:00 高田日銀審議委員、記者会見
15:00 (独) 7月 製造業新規受注 前月比 (6月 7.0%、予想 -4.0%)
15:00 (独) 7月 製造業新規受注 前年同月比 (6月 3.0%、予想 -3.9%)
18:00 (欧) 7月 小売売上高 前月比 (6月 -0.3%、予想 -0.1%
18:00 (欧) 7月 小売売上高 前年同月比 (6月 -1.4%、予想 -1.2%)
21:30 (米) コリンズ・ボストン連銀総裁、講演
21:30 (米) 7月 貿易収支 (6月 -655億ドル、予想 -680億ドル)
22:15 (英) ベイリー英中銀総裁、議会証言

22:45 (米) 8月 サービス業PMI・改定値 (速報 51.0)
22:45 (米) 8月 総合PMI・改定値 (速報 50.4)
23:00 (加) BOC(カナダ中銀) 政策金利 (現行 5.00%、予想 5.00%)
23:00 (米) 8月 ISM非製造業景況指数 (7月 52.7、予想 52.4)
27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
28:00 ローガン・ダラス連銀総裁、コミュニティリスニングセッションに参加



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