ドル円、ドル買い戻しの流れ継続。本日は米市場休場明けの海外勢の動きに注目
○ドル円、アジア時間朝方に146.02まで軟化した後、米国時間午後にかけて146.54まで上昇
○株式市場の堅調推移や、円キャリートレードの再開期待などが支援材料
○ユーロドル、欧州当局者による相次ぐタカ派的発言を背景に1.0809まで上昇
○ドル円、複数の買いシグナルが点灯していることなど、テクニカル的に見て地合いは極めて強いと判断
○ファンダメンタルズも、日米金融政策の方向性の違いなどドル円相場続伸を連想させる材料が揃う
○本日の予想レンジ:145.75ー147.50
海外時間のレビュー
週明け4日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値146.02まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)前週末金曜日以降のドル買い戻しの流れの継続(米雇用統計後の下値トライ失敗→米ISM製造業景況指数および米8月ISM支払価格の市場予想を上回る結果→クリーブランド連銀メスター総裁による「失業率はなお低水準でインフレ率は高すぎる」とのタカ派的な発言→短期筋のショートカバー発動→ドル円が144.44から146円台前半まで急反発)や、(2)株式市場の堅調推移(中国当局による住宅需要喚起策を好感→アジア株・欧州株上昇→リスク選好の円売り圧力)、(3)日米金融政策格差に着目した円キャリートレードの再開期待が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値146.54まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、米市場休場(レーバーデー)で商い閑散となる中、動意を失い、本稿執筆時点(日本時間9/5午前5時45分現在)では、146.49前後で推移しております。
週明け4日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0772まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)前週末金曜日に記録した安値1.0771を背にした押し目買い圧力や、(2)欧州株の堅調推移(中国当局による住宅需要喚起策を好感)、(3)クロアチア中銀ブイチッチ総裁による「底堅い労働市場は引き続き迅速な賃金上昇につながっており物価の上昇リスクを生み出している」とのタカ派的な発言、(4)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「ECBが利上げサイクルを停止する前にさらなる利上げが必要になる可能性がある」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0809まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、米市場休場(レーバーデー)で商い閑散となる中、動意を失い、本稿執筆時点(日本時間9/5午前5時45分現在)では、1.0796前後で推移しております。尚、昨日はラガルドECB総裁より「ユーロ圏は非常にインフレが高過ぎる状況」との発言が見られた他、ドイツ連銀ナーゲル総裁からも「インフレはなお高すぎる」との発言が見られるなど、欧州当局者によるタカ派的な発言が相次ぎました。
本日の見通し
ドル円は8/29に記録した年初来高値147.38をトップに反落に転じると、米雇用統計後に一時144.44まで下げ幅を広げましたが、その後は一転してショートカバーが活発化し、昨日は146.54まで持ち直しました。日足ローソク足が全てのテクニカルポイントの上側に位置していることや、複数の買いシグナル(一目均衡表三役好転、強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンド)が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(冴えない米雇用関連指標を受けて一時的に年内利上げ観測が大幅に後退しましたが、米ISM製造業景況指数や米8月ISM支払価格の市場予想を上回る結果、クリーブランド連銀メスター総裁のタカ派的な発言を受けて、年内利上げ観測が再燃)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレード再開の思惑)、(4)株式市場の堅調な値動き(リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。本日は5・10日要因に伴うドル買い需要が見込まれる他、米祝日明け(米レーバーデー明け)の海外勢による追随的なドル買いも予測されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(状況次第では8/29に記録した年初来高値147.38を試すシナリオも十分あり得る展開)。尚、本日は米7月製造業受注指数や、米7月耐久財受注確報値が予定されております。
本日の予想レンジ:145.75ー147.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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