東京市場は146円台での小動き、「下ヒゲ」示現で底堅い地合いに
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、レーバーデーに伴う米市場休場が意識されて膠着感が強まり、値幅の狭い一日となった。
先週末の海外時間では、注目の8月米雇用統計にて失業率の上昇と賃金鈍化が明らかとなったことから、米金利先高感が後退し、ドルは144円44銭まで売り込まれた。ただ、その後の8月ISM製造業景況指数、8月製造業PMIがともに市場予想を上回ったことからドルは切り返し、終わってみれば146円台を回復。上下の値幅は1円80銭強とボラタイルな一日となった。
東京時間は、今晩の米国株式・債券市場がレーバーデーのために休場となっていることから積極的な参加者が少なく膠着相場となった。上下の値幅はわずか23銭に留まった。株式市場で、日経平均が高値引けとなり、8月2日以来の33000円台に迫る動きを見せたが、為替市場への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円16銭
高値:146円25銭
安値:146円02銭
終値:146円18銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円47銭
高値:157円73銭
安値:157円33銭
終値:157円69銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円28銭
高値:94円69銭
安値:94円19銭
終値:94円64銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:184円00銭
高値:184円39銭
安値:183円85銭
終値:184円33銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32797円32銭
高値:32939円18銭
安値:32714円94銭
終値:32939円18銭(前日比+228円56銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
20時30分、欧、エルダーソンECB理事が会議出席
22時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁が討論会に出席
22時30分、欧、ラガルドECB総裁がイベントにて講演
23時00分、欧、パネッタECB理事が公聴会に出席
レーバーデー祝日のため米株式・債券市場は休場
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。転換線水準でのもみ合いとなっているが、先週末に長い下影(下ヒゲ)を残しており、下値を探るよりも上値を探る形状と言えよう。
先週末の海外時間は、下値メド(144円60銭)と上値メド(146円30銭)の予想がほぼ的中する結果となった。発表された米経済指標に対して、ドルは素直に反応し「往って来い」、つまり「往復びんた」の地合いである。8月29日の上影(上ヒゲ)を残した日と同様の高いボラティリティとなり、ローソク足としては正反対となった。上ヒゲと下ヒゲが短期間で示現する珍しい状況で、週単位でみると、気迷いを示す「十字線」となっている。一見すると「方向性に欠ける展開」とも思われるが、先週末に示現した「下ヒゲ」の意味合い(底堅い)を時系列的には読み取るべきか。つまり、ドルは対円で「底堅い」と感じている市場関係者の方が多いと考える。
今晩の海外時間は米国休場のため、さすがにドルの方向感は出ないと考えるが、明日以降「東京時間は為替介入警戒で上値は重いが、海外時間は上値を試す」という地合いを想定する。政府・日銀よる為替介入は、今の為替水準を考えるとほとんど醸成されていないことから実施は難しいだろうが、東京時間でのドルの上値を抑える材料としては十分だ。
一方、ドルインデックスは104台と7月の最低値である99.57からじりじり上昇、200日MAを明確に上抜けている。ドルインデックスをテクニカルで語るのはナンセンスであることは百も承知だが、昨年9−10月、ドルインデックスが114台を付けていたことを考慮すると、ドルが主要通貨に対して強含む余地はまだあるとの見方もできよう。海外時間ではこうしたドル強含みの地合いを想定したい。
とはいえ、今晩の海外時間は、目立った予定も無いことから東京時間同様、小動きを想定。上値メドは、146円50銭、下値メドは146円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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