ドル上値トライは仕切り直し、米指標要注意(8/30夕)

30日の東京市場はドルが小高い。前日のNYで一時146円を割り込む局面も見られたが、本日はやや買い戻しの動きが優勢だった。

ドル上値トライは仕切り直し、米指標要注意(8/30夕)

ドル上値トライは仕切り直し、米指標要注意

〇東京時間のドル円、昨夜の急落から小幅に反発し146円台前半で推移
〇重要経済指標を前に、146円台を中心とした乱高下やレンジ内での荒っぽい変動には要注意
〇仏ルメール経財相や米商務長官が中国の経済状況に懸念を表明
〇本日、8月ADP雇用統計や4-6月期GDP統計改定値等の米経済指標が発表予定
〇ドル高・円安方向は本日東京高値146.35-40が最初の抵抗。抜ければ再び147円回復をうかがう
〇ドル安・円高方向は、146.00-20がごく目先のサポートで、下回ると昨日安値145.67が視界内
〇欧米時間のドル円予想レンジは145.80-147.00

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はドルが小高い。前日のNYで一時146円を割り込む局面も見られたが、本日はやや買い戻しの動きが優勢だった。

ドル/円は145.85-90円で寄り付いたのち、日中安値の145.75-80円を示現。しかし、以降のドルは底堅く、146円台を回復している。とは言え、上値はやはり重いようで高値は146.35-40円まで。週末に発表される米雇用統計待ちといった向きも多かったのか、積極的な動意も手控えられていた。16時現在ではドル高値圏の146.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、途中で田村日銀審議委員の発言「想定以上に物価が上振れる可能性も否定できない」などが伝えられたが、影響は限定的だった。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、フランスのルメール経財相が、中国の経済状況に改めて懸念を表明。また米商務長官も「中国が投資できない国になったという声が米企業から出ている」と発言するなか、中国外務省が「クレバリー英外相が中国を訪問する」と発表したことが思惑を呼ぶ。30日、クレバリー外相は北京で韓国家副主席と会談した。そうしたなかブルームバーグは関係者の話として、中国経済の成長支援策強化を目的に「中国の国有銀行は既存の住宅ローンに課している金利を引き下げる」と報じている。

対して後者は、ロシア民間軍事会社ワグネル創設者プリゴジン氏の航空機墜落による死亡について、米ホワイトハウス報道官が背後にクレムリンの存在がある可能性を改めて示唆。依然として疑惑などもくすぶるなか、プリゴジン氏の葬儀は早々に出身地のサンクトペテルブルクで実施されたうえ、ロイターは「プリゴジン氏墜落死、ロシアは調査しない意向」と報じている。多くの謎を残しつつ、これで幕引きということになりそうだ。なお、そうしたなか英国防省が、9月に計画しているロシア軍の大規模軍事演習について、「参加が可能な人員と装備が少なすぎる」ことを理由に中止する可能性が高いとの見通しを示したことが一部で話題に。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日も年初来高値を更新し、一時147.37円まで急騰。しかし、そののち145円台まで1円を超える急落となった。本日東京時間には小幅に反発し146円台前半。これからすると、ドル高という基調そのものは依然として変わっていないものの、円買い介入警戒もあり上値はやはり重そうだ。連日のように記録していたドルの年初来高値更新も、一旦仕切り直しになった。
日米欧の金融情勢が引き続き注視されており、9月半ば以降の米FOMCなど各国中銀の金融政策スケジュールが早くも注目を浴び始めた。また目先は、それに向けて発表される経済指標に要注意。昨日はあまり注目度の高くない米JORTS雇用動態調査の結果が市場の波乱要因となっていた。本日もADP雇用統計という雇用データが発表されるだけに、連日の波乱相場をたどる可能性もないではない。なお、ハリケーン「イダリア」が本日に米サウスカロライナ州上陸の可能性があり、関連ニュースには注意が必要か。

テクニカルに見た場合、週明け28日には終日を通してわずか47ポイントの変動にとどまったドル/円相場だが、昨日は一転して1.7円とかなりの値動き。不意を突かれた向きも多かったと見られ、本日も油断は禁物だ。昨日示現した高値147.37円をしっかり抜けていくことはなかなか難しそうだが、146円台を中心とした乱高下や短期的にはレンジ内での荒っぽい変動を予想する向きもある。
本日は米経済指標として、8月のADP雇用統計や4-6月期GDP統計改定値が発表される予定となっている。昨日も発表された米経済指標が相場のかく乱要因となっただけに本日も注意を払いたい。また、それとは別に8月の独消費者物価指数を警戒する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.80-147.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる146.35-40円が最初の抵抗。抜ければ再び147円回復をうかがう。
対するドル安・円高方向は、146.00-20円がごく目先のサポートで、下回ると昨日安値145.67円が視界内に。

ドル上値トライは仕切り直し、米指標要注意

ドル円日足


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