上値重いが下値も堅くドルは依然強保ち合い
〇本日のドル円、146.30-55といった非常に狭いレンジ取引、明確な方向性乏しい
〇昨日ドルの戻り高値更新、そののち本日東京時間にかけてもドルは146円前半から半ばで強保ち合い
〇介入への警戒感は強いが円安進行の過熱感乏しく、まだ容認されているといった見方も
〇今後発表される米経済指標などに一喜一憂する展開が予想される
〇欧米時間のドル円予想レンジは145.90-146.90、ドル高・円安方向は146.55レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値146.28をめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
29日の東京市場はレンジ取引。146円台前半中心で底堅かったが、上値も重かった。
ドル/円は146.50-55円で寄り付いたものの、上値は重く上げ渋り。前日記録したドル高値146.75円は近くて遠く、トライすることもなかった。146.30-55円といった非常に狭いレンジ取引で、明確な方向性は乏しい。株価の動きなどに一喜一憂しつつ、16時現在では146.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ウクライナ国防次官が要衝につながる「集落ロボティネ奪還」を明らかにして話題に。反面、ロシアサイドは否定しているものの、事実とすればウクライナ軍がロシア軍の強固な防衛ラインの一部を突破したことになり、今後の戦闘が一気にウクライナ優勢へと傾く可能性もある。そうしたなか、印露首脳が電話会談を実施し、プーチン氏は「9月G20の出席見送り」を伝達したとされるほか、共同通信は、岸田首相が29日にもゼレンスキー大統領と電話会談する方向で調整に入ったと報じていた。
対して後者は、欧米諸国からは問題視する動きがほとんど聞かれない福島処理水の放出について、韓国では「処理水放出で福島の海が変色」とのデマが拡散し、政府が対策に動いたことが明らかとなった。一方、中国は相変わらず。ただ、自国にも被害があったと主張。具体的には中国の呉駐日大使が、日本国内から中国大使館や領事館に大量の迷惑電話がかかっているとしたうえで、抗議のため外務省の岡野事務次官に対して「厳正な申し入れをした」と明らかにしている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は昨日もドルの戻り高値を更新。そして、そののち本日東京時間にかけてもドルは146円前半から半ばで強保ち合いとなっている。一方で、昨年9月の円買い介入観測レベルを超えていることもあり、警戒感そのものは強いが、円安進行の過熱感が乏しいこともあり、まだ容認されているといった見方もあるようだ。いずれにしても、もう一段ドル高が進行する可能性もある。
注目されたジャクソンホール会合を先週こなしたことで、市場の関心は再び各国の金融政策決定会合へ。ただ、今週は米FOMCなど具体的な会合が予定されていないため、基本は発表される米経済指標などに一喜一憂する展開か。なお、明日以降の話になるが、欧州の金融政策と絡め、これまでそれほど注視されていなかったドイツやフランスなどの8月消費者物価指数(CPI)を警戒する声も聞かれている。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は連日の年初来高値更新ながら、進行スピードは牛歩に近い。したがって、行き過ぎあるいは過熱感といった様相からは程遠い状況にある。リスクは間違いなくドル高で147円に接近、あるいは抜けていく展開も否定できない。そうした局面では、日本の当局による円安けん制も予想されるが、仮に調整が入っても下値は堅く限られそうだ。
本日は米経済指標として、6月のS&Pケースシラー住宅価格指数や8月の消費者信頼感指数が発表される予定だ。また、バーFRB副議長の講演や、前述した「岸田首相とウクライナ大統領の電話会談」にも一応要注意か。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.90-146.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる146.55円レベルが最初の抵抗。抜ければ146.75円の更新をうかがう。
対するドル安・円高方向は、昨日安値146.28円をめぐる攻防に注目。下回ると146円割れは否定できないが、それでも下値は堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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