パウエル発言を注視、荒い値動きにも要注意
〇本日のドル円、145.80-85で寄り付いた後146円台を回復し、146円台を中心とした値動き
〇146円台を回復したが年初来高値146.56に届かず、依然として144.50-146.50レンジで方向性乏しい
〇本日のパウエルFRB議長講演を注視、ラガルドECB総裁講演や植田日銀総裁の討議参加も予定される
〇過去2週間ほど144.50-146.50レンジでの変動にとどまる、レンジ上抜け期待が強まる
〇欧米時間のドル円予想レンジは145.50-146.80、ドル高・円安方向は146.25レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、145円後半あるいは145円半ばをめぐる攻防にまず注目
<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場はドルが強保ち合い。取引時間の多くは146円台で、年初来高値も視界内に捉えた動きだった。
ドル/円は、寄り付いた145.80-85円を日中安値にドルは小高い。146円台を回復し、そのまま146円台を中心とした値動きをたどっている。しかし、当局の円買い介入警戒もあってか勢いに任せたドル高・円安は進展せず。146.20円台で上げ渋ると、16時現在では146.10-15円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、沈黙していたプーチン氏が、ついにプリゴジン氏遺族らへ「哀悼の意」を表明したとして話題に。しかし、暗殺説は消えるどころか強まっているようで、実際米紙WSJも「米政府は初期の分析として、機内に仕掛けられた爆発物が作動した可能性があるとみている」と伝えていた。「ロシア犯人説」がますます真実味を増している感も否めない。引き続き続報などには要注意だ。そうしたなか、テレビ形式で参加したBRICS会議でプーチン氏は、アフリカ諸国に対し「多面的な関係」を発展させることに関心があると訴えていたという。
対して後者は、24日から始まった福島処理水をめぐり、日中が激しいつばぜり合い。中国が「日本からの水産物の輸入を全面停止」を発表するなか、岸田首相が「禁止措置の即時撤廃を求める申し入れ」を行ったうえ、山田外務副大臣も出席したG20会合を利用し中国側に措置の撤廃を求めたと明らかにしている。ただ、そんな中国は国内の金融環境もあまりよくないようで、当局から「国営年金基金や資産管理ファンドなどの中長期投資家に対し株式投資を拡大するよう促している」とした発表も観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、ジャクソンホール会合を注視しつつも若干ドル高。146円台を回復したが146.56円の年初来高値にはとどかなかった。大きな意味では依然として144.50-146.50円のレンジ取引で、明確な方向性は乏しい状況だ。まずは足もとのボックス圏を上下どちらに放れるのかを注視したい。敢えてリスクを指摘するなら上方向と思われるが、その場合には当局の円買い介入警戒がさらに高まる可能性もある。
いよいよジャクソンホール会合がはじまるなか、本25日にはもっとも注視されているパウエルFRB議長の講演が実施される予定だ。果たして強気のスタンスを維持することになるのだろうか。また、それとは別にラガルドECB総裁講演も「欧州と世界経済」をテーマにした講演を行ううえ、初参加とされる植田日銀総裁も討議に参加する予定で、それら各国中銀総裁などのコメントを警戒する向きあるようだ。場合によっては来週初、月曜日早朝の波乱要因に。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は過去2週間ほどレンジを形成。具体的には144.50-146.50円といったもので、そのなかの変動にとどまっている。しかし、本日東京で再び146円台を回復するなど、レンジ上抜け期待が強まってきたようだ。ジャクソンホール会合での要人発言が注視されるなか、果たして上放れするのかどうかに注目だ。ちなみに、上抜けた場合には147円台をスルーし、148円半ばから後半が次のターゲットに。
本日は米経済指標として、8月のミシガン大学消費者信頼感指数確報が発表される予定だ。またジャクソンホール会合、そして北朝鮮のミサイル発射受け日米などの要請により開催される安保理緊急会合の行方にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.50-146.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の146.25円レベルが最初の抵抗で、抜ければ146.56円が名実ともターゲットに。
対するドル安・円高方向は、145円後半あるいは145円半ばをめぐる攻防にまず注目。底堅いイメージだが、しっかり割り込めば144円台も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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