トランプ発言に一喜一憂か(週報2016年11月第二週)

トランプ発言に左右される

トランプ発言に一喜一憂か(週報2016年11月第二週)

ドル円:11月7日からの先週

先週のドル円は荒い値動きの中、買いが優勢で、トランプ次期米大統領の政権への期待でドルは急上昇。
トランプ次期米大統領への市場の反応は、期待が懸念を上回っています。

8日は、前日のNY引けの104.45で始まり、東京時間、米国の現地時間8日投開票の大統領選の結果待ちの様子見の中、大接戦のまま投票に入る事への警戒感から、一時ドル売り・円買い8日の安値104.29まで弱含み。しかしNY時間に入りドル買い戻しで8日高値の105.19まで値を上げ105.13で引けました。

9日は、前日の引けの105.11で始まり、東京時間は米大統領選の開票が進むなか、予想に反して共和党のトランプ氏が優勢と伝わるとリスク・オフの売りが急激に進み、一時9日の安値の101.18まで急落。ただ、トランプ氏が次期大統領に決定すると一転して急ピッチな買戻しとなり、一時9日の高値の105.88まで急反発し、105.65で引けました。
ドル円の動きの背景には米長期金利の大幅上昇や、日経平均先物の大幅高があると見ます。  

10日は、前日引けの105.65で始まり、ドル買いの流れが継続。 株高や米長期金利の上昇を背景に、一時10日高値の106.94まで上昇し、7月21日以来の高値を更新し、そのままの横ばいの後106.81で引けました。

11日は、前日引けの106.82で始まり、東京時間はじりじりと下降し、11日安値の106.02まで下押ししました。その後は再び買い戻され、NY時間に入り、11日の高値106.93をつけました。しかし、昨日の高値の106.94を超えられなかったことから、後世のドル売りに106.66で引けました。

ドル円:11月14 日からの今週

ポイント:トランプ発言に左右される相場になりそうです。


CME通貨先物ポジション状況:11月1日時点
       (11月1日)    (10月25日)    (10月18日)
円        43160      44595      36991
ユーロ    ▲137385    ▲123856    ▲109268
ポンド     ▲82961    ▲83962     ▲91558

シカゴIMM:投機・投資家筋のポジションで11月8日付けのデータはベテランズデーの影響で14日に発表の予定。
これまでのネット円い持ち最高水準は、2008年3月25日 +65,920、2004年2月6日 +64499、過去最高ネット円売り持ち高は、2007年6月26日 -188,077

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、14.17(-0.57)VIX指数は下落しての引け。ダウが史上最高値を更新する動きとなったことを背景に、リスク志向の動きが強まりました。トランプ新大統領に対する期待が懸念を上回っていると見ます。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39

米大統領選挙は終わりましたが、
1. これまで織り込んだポジションの調整と戻し
2. その上でのこれからの織り込みと、新規のポジションの形成
と見た場合
この1週間で、9日の安値の101.18から、10日の高値の106.94の差、およそ5.70円の円安・ドル高の動きですがこの一年で見た場合に、1月の年初来高値の121.69から、6月の年初来安値の98.90の差、およそ22.80円もの円高・ドル安の動きとなっています。
本年一年間で織り込んだ22.80円分のドル売りが、5.70円分のドル買いで終わったと見るのは無理があるでしょう。
これからしばらくポジション調整のドル買いが下値を底固くして行くと想定されます。
新規のポジションの形成は、その後になるのです。

大統領選挙期間中から、その発言が大いに問題視されてきましたが、これからもその発言が続いてゆくのか、先日の勝利宣言の際の堂々とした印象に代わってゆくのか、それ自体が、トランプ・リスクと言えるでしょう。

大統領選挙後のドル、株、債券の反応は、決して前向きにトランプ次期米大統領の決定を好感しての動きではなく、あくまで既存のポジションの巻き戻しと考えれば、これから買いなのか、売りなのかは、今後のトランプ次期米大統領次第、今後のトランプ次期米大統領の発言・振る舞い次第と言えるでしょう。

予想レンジは、103.50〜109.00 と見ます。

オーダー/ポジション状況

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