Jホール会合注目、ECB総裁発言にも関心
〇本日ドル円、小幅に弱含んだ後ドル買い優勢で145円台回復、16時現在も145円台で欧米市場を迎える
〇24-26日開催のJホール会合、FRB議長講演、日銀総裁の発言が注視される
〇ECB総裁、9月利上げに否定的見解の場合、市場の波乱要因となる可能性も
〇本日は米7月シカゴ連銀全米活動指数、週間ベースの新規失業保険申請件数等の発表予定
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.50-145.80、ドル高・円安方向は145円半ばが抵抗に
〇ドル安・円高方向は、昨日安値の144.54をめぐる攻防にまず注目
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場はドルが小高い。前日に一時144円半ばまで下落したものの、切り返すと145円台を回復している。
ドル/円は144.80-85円で寄り付いたのち、当初はドル売りに押される。日中安値の144.60円レベルへと小幅に弱含んだ。しかし、底入れ後は一転してドル買いが優勢になると、上値の重さを意識しつつ145円台を回復。145.20円レベルまで値を上げ、16時現在でもそのまま145円台をキープし、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「北朝鮮情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、本日未明である4時前に北朝鮮が「ロケット」と称するミサイルを発射し一時騒然。沖縄県を対象にJアラートが発令されていた。結局、ミサイルは北朝鮮自身も認める「打ち上げ失敗」に終わり、日本への影響はとくになかったもようだ。ただし、朝鮮中央通信によると、今回の失敗を受けて北朝鮮は「10月に再度打ち上げを計画している」とされ、まだまだ予断を許さない。なお、北朝鮮のミサイル発射を受け、日米韓の北朝鮮問題の担当者が電話協議を行い、「国際社会に対する明白で深刻な挑戦である」という認識を改めて共有したという。
対して後者は、いわゆる「ワグネルの乱」の首謀者でもあった「プリゴジン氏の乗ったジェット機が墜落した」として物議を醸す。そののち映像も公開されたが、一部からは暗殺説なども取り沙汰されていたようだ。続報なども気に掛かる。一方、「ロシア軍がまたウクライナの穀物輸出代替ルートを攻撃した」といった情報が取り沙汰されるなか、ウクライナ軍が、ロシア軍の支配していた南部ザポロジエ州ロボティネに国旗を掲げたとテレグラムで発表し話題に。確認はされていないが奪還した可能性もあるようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
24日から始まるジャクソンホール会合が注視されるなか、ドル/円相場は昨日思いもよらぬタイミングで反落。11日以来のドル安値圏まで下落してきた。下値余地が幾分なりとも拡大したようだが、まだそれほど強い下押し圧力はうかがえない。当初予想していた145.00-146.50円といったレンジが下方向にやや拡大しただけで、ドル/円はいま少しのあいだ方向性の乏しい展開が続く可能性もある。
24-26日に開催されるジャクソンホール会合のなか、もっとも注視されているのは25日のパウエルFRB議長講演。また、同会合に初参加する植田日銀総裁の発言を警戒する声も少なくないなか、昨日発表された欧州経済指標の悪化もあり、俄かにラガルドECB総裁講演も注目度が高まってきたようだ。次回9月の利上げについて否定的な見解を示すようなら、為替市場の波乱要因となりかねないだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は145円を一時割り込む。しかし、そののち元のレンジである145.00-146.50円に回帰しており、当初の見込みから下方向に若干レンジが拡大しただけかもしれない。
ただし、昨日安値144.54円は7月14日安値137.25円を起点とした上げ幅の23.6%押しに近く、しっかり割り込むと38.2%押しの143円レベルがターゲットに。下値余地が拡大しかねない。
本日は米経済指標として、7月のシカゴ連銀全米活動指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。昨日は発表された米PMIはもとより、英PMIなども市場の波乱要因となっていた。米国以外、欧州や英国などの経済指標にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.50-145.80円。ドル高・円安方向は145円半ばが抵抗になりつつあるようだ。抜ければ146円台回復を目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い昨日安値の144.54円をめぐる攻防にまず注目。近いレベルにはフィボナッチポイントも位置している。
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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