本日はジャクソンホール会議のパウエルFRB議長講演に注目
〇ドル円、米国時間朝方にかけて高値145.96まで急伸
〇株価の堅調、円金利低下、米指標の好調と米金利上昇等が背景
〇ユーロドル、米国時間午後にかけて安値1.0805まで下落
〇ドル円、ローソク足が主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリートレード継続期待など、ドル円相場上昇材料揃う
〇本日は今週のメインイベントとジャクソンホール会議のパウエルFRB議長講演に注目集まる
〇パウエルFRB議長講演後のドル円急伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.00ー147.00
海外時間のレビュー
24日(木)のドル円相場は約2週間ぶり安値圏から持ち直す展開。アジア時間朝方にかけて、安値144.60まで下落するも、一巡後に下げ渋ると、(1)エヌビディアの好決算に端を発した株式市場の堅調推移(日経平均株価上昇→リスク選好の円売り再開)や、(2)円金利低下に伴う円売り圧力(本邦10年債利回りが前日記録した2014年1月以来の高水準0.68%から0.63%へ急低下)、(3)米7月耐久財受注/除輸送機器(結果+0.5%、予想+0.2%)の市場予想を上回る結果、(4)米7月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.12、予想▲0.22)の市場予想を上回る結果、(5)米新規失業保険申請件数(結果23万件、予想24万件)の良好な結果、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値145.96まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)フィラデルフィア連銀ハーカー総裁による「インフレが早く低下すれば利下げも早くなる可能性がある」「FOMCは金利に関して年内に動かないだろう」とのハト派的な発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/25午前5時10分現在)では、145.85前後で推移しております。
24日(木)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間午後にかけて、高値1.0877まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)フランス8月INSEE企業景況感指数(結果96、予想99)の市場予想を下回る結果や、(2)上記1を背景とした欧州経済の先行き不透明感(前日発表されたユーロ圏8月総合PMIも2年9カ月ぶり低水準)、(3)ECBによる金融引き締め休止観測、(4)欧州株の冴えない動き、(5)米経済指標の良好な結果、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0805まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/25午前5時10分現在)では、1.0806前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は前日(8/23)海外時間に一時144.54まで下げ幅を広げましたが、昨日は一転して買い戻しが優勢となり、米国勢参入後に145円台後半まで反発しました。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイントの上側に位置していること(昨日は一目均衡表転換線を上方ブレイク)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策格差を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り)や、堅調な米経済指標を背景とした米主要株価指数の底堅い動き(米金利が上昇しても米主要株価指数が然程崩れない→リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は今週のメインイベントとして市場参加者の関心を集めているジャクソンホール会議(カンザスシティ連銀主催の国際経済シンポジウム)のパウエルFRB議長講演に注目が集まります(日本時間23時5分開始予定)。
パウエルFRB議長より自然利子率に関する言及がなされる場合(自然利子率が新型コロナウイルス禍の前よりも上昇していることを認める場合)や、年内追加利上げの可能性を残す場合(データ次第とのスタンスを強調しつつ、データが何を指すのかを示す場合)、利下げ検討は時期尚早とのスタンスを維持する場合(市場の前のめりな利下げ観測に釘をさす場合)には、「米FRBによる金融引き締め長期化観測→米長期金利上昇→米ドル買い」の経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わる展開が想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、パウエルFRB議長講演後のドル円急伸をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:145.00ー147.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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