ドル円、中国による為替介入報道と世界的な株安を背景に年初来高値圏から急反落(8/18朝)

17日(木)のドル円相場は上昇後に急反落。

ドル円、中国による為替介入報道と世界的な株安を背景に年初来高値圏から急反落(8/18朝)

ドル円、中国による為替介入報道と世界的な株安を背景に年初来高値圏から急反落

〇ドル円、東京時間の高値146.56から株価軟調、介入警戒感等に米国時間朝方に145.62まで急落
〇その後米指標の好調、米長期金利続伸等に146円台を回復するも米株急落で145円台後半に反落
〇ユーロドル、中国の為替介入強化方針からの米ドル売りに1.0918まで上昇後1.0856まで急落
〇ドル円、ダウンサイドに複数のテクニカルポイント控え、買いシグナルも継続、地合い維持
〇日本政府・当局によるドル売り介入観測、中国のドル売り介入観測、株安の影響は限定的か
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.00ー146.75

海外時間のレビュー

17日(木)のドル円相場は上昇後に急反落。(1)本邦7月貿易収支(結果787億円赤字、予想479億円黒字、前回430億円黒字)の赤字転落や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、昨年11/10以来、約9カ月ぶり高値となる146.56まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)や、(4)日本政府・当局によるドル売り介入警戒感、(5)中国人民銀行による元安阻止を目的とした国有銀行を通じた為替介入の方針強化(人民元急伸→米ドル急落→ドル円連れ安)、(6)短期筋のストップSELLが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値145.62まで急落しました。

その後は、(7)米新規失業保険申請件数(結果23.9万件、予想24.0万件)の良好な結果や、(8)米8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果+12.0、予想▲10.4)の力強い結果、(9)米長期金利の更なる上昇を背景に、一時146.32まで反発する場面も見られましたが、(10)米主要株価指数が急落に転じると、(11)リスク回避の円買い(クロス円急落→ドル円連れ安)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/18午前5時25分現在)では、145.81前後まで反落する展開となっております。

17日(木)のユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)ユーロ圏6月貿易収支(結果125億ユーロ黒字、予想40億ユーロ黒字)の市場予想を上回る結果や、(2)中国人民銀行による元安阻止を目的とした国有銀行を通じた為替介入の方針強化(人民元急伸→米ドル急落→ユーロドル連れ高)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0918まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)米経済指標の良好な結果や、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(5)世界的な株価急落(リスク回避のユーロ売り)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0856(7/6以来、約1カ月半ぶり安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/18午前5時25分現在)では、1.0873前後で推移しております。尚、昨日はラトビア中銀カザークス総裁より「追加利上げ幅は小幅になる見通し」「追加利上げの決定前に新たな見通しの提示が必要」との発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は一時146.56(昨年11/10以来、約9カ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、中国人民銀行による為替介入観測(対人民元で米ドル急落→ドル円連れ安)と、世界的な株安(クロス円急落→ドル円連れ安)の影響で、145円台半ばへ反落する動きとなりました。但し、ダウンサイドに複数のテクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド、21日線、50日線、90日線、200日線)が並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(このままずるずると値を下げる可能性は低く、一巡後に持ち直すシナリオが有力)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの継続など、ドル円相場の上昇に繋がる材料が揃っています。日本政府・当局によるドル売り介入観測や、中国人民銀行による国有銀行を通じたドル売り介入観測、世界的な株安の影響は限定的と見られることから(一時的な要因に留まると見られることから)、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間8:30に予定されている本邦7月全国消費者物価指数以外に目立った経済イベントが予定されていないため、基本的には人民元相場の動向や、米株・米長期金利の動向を睨みながらの神経質な動きが続きそうです。

本日の予想レンジ:145.00ー146.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、中国による為替介入報道と世界的な株安を背景に年初来高値圏から急反落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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