ドル円、一時143円台後半へ続伸するなど堅調推移が継続中。本日は米CPIに注目
〇ドル円、米CPIや米PPIを控えたポジション調整、米金利上昇等に一時143.77まで反発
〇ユーロドル、イタリア政府の課税部撤回等に高値1.0996まで反発
〇ドル円、ローソク足が主要テクニカルポイントの上で推移、買いサインも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリートレード継続期待など、ドル円相場上昇材料揃う
〇本日、日本時間21:30に発表される米7月消費者物価指数に注目
〇本日の予想レンジ:143.00ー145.00
海外時間のレビュー
9日(水)のドル円相場は堅調な値動き。(1)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となる中、日本時間引けにかけて、安値143.00まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)重要イベント(米CPIや米PPI)を控えたポジション調整や、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(5)ロンドンフィキシングに絡んだ円売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値143.77まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/10午前5時40分現在)では、143.70前後で推移しております。
9日(水)のユーロドル相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0951まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)イタリア政府が前日に発表した銀行の超過利潤に課税する措置の一部を撤回すると共に、多くの銀行にとって影響を抑制する措置を導入すると発表したこと(前日の火消しを行ったこと)や、(2)上記1を背景に昨日急落した欧州金融株が急反発に転じたこと(欧州金融株急反発→欧州株上昇→市場心理回復→リスク回避のユーロ売り後退)、(3)短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0996まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/10午前5時40分現在)では、1.0970前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は今週初(8/7)に記録した直近安値141.52をボトムに反発に転じると、昨日は一時143.77まで急伸しました(8/3に記録した約1カ月ぶり高値143.88を射程圏内に捉えているため、前週末から今週初にかけて発生した急落劇の「全値戻し」は概ね達成済み)。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド、21日線、50日線、90日線、200日線)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、4時間足で強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」が点灯したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内追加利上げ観測の残存や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待(円売り安心感)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は上記1を見極める目的で日本時間21:30に発表される米7月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想の前月比+0.3%や前年比+3.3%を上回る結果となれば、「米国のインフレ鈍化期待後退→米利上げ観測再燃→米長期金利急上昇→米ドル独歩高」の経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが警戒されます。状況次第では、6/30に記録した直近高値145.07を一気に上抜けるシナリオも想定されることから、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米7月CPI以外にも、本邦の5・10日仲値(9:55)や、米新規失業保険申請件数(21:30)、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁講演(4:00)、アトランタ連銀ボスティック総裁講演(4:00)などにも注目が集まります。
本日の予想レンジ:143.00ー145.00
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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