雇用データは好悪混在、米雇用統計に注目(8/4夕)

4日の東京市場はレンジ取引。米雇用統計の発表を前にした調整と思しき動きも観測されたが、下値は堅く下げ渋った。

雇用データは好悪混在、米雇用統計に注目(8/4夕)

雇用データは好悪混在、米雇用統計に注目

〇本日ドル円、基本的にレンジ取引、142.30-90といった値動きに終始
〇昨日東京時間に143.89まで上昇するも、そののち急反落、NY時間に142.07へと2円近い下げを記録
〇ドル高基調に変化はないと考えるが、142円レベルをクリアに下回ると大幅続落の可能性も
〇ここ数日の米経済指標は好悪混在、そうしたなか本日NY時間に発表される米雇用統計に注目集まる
〇欧米時間のドル円予想レンジは141.70-143.40、ドル高・円安方向は143円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値142.07をめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場はレンジ取引。米雇用統計の発表を前にした調整と思しき動きも観測されたが、下値は堅く下げ渋った。

ドル/円は142円半ばで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。途中、調整的なドル売りも散見されるが攻め切れず、結局は142.30-90円といった値動きに終始している。16時現在では寄り付きに近い142.60-65円で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、昨日までの2日間で1300円も下落していた日経平均株価は本日下げ止まり。しかし、上値も重そうで、終値ベースでは33円高にとどまっている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は4日米雇用統計の前、3日に発表された米経済指標は好悪混在。ただ、雇用データの新規失業保険申請件数、そしてISM非製造業総合指数が予想を下回るとドルの売り要因となった。ただ、米利回りがそれほど下げなかったうえ、リッチモンド連銀総裁からは「国内インフレ率は依然として高すぎる」といったタカ派コメントも聞かれており、それらは逆にドルの支援要因になっていたようだ。なお、そうしたなか著名投資家のバフェット氏は先日フィッチが発表した米格下げについて、「心配すべきことではない」と指摘したという。

対して後者は、米国務長官が、米政府が中国の王外相をワシントンに招待したことについて、中国側から招待に応じるかどうか返答を受け取っていないと明らかにしていた。中国側の対応を懸念する声も聞かれている。一方、中国外務省から台湾副総統による米経由の南米訪問について「断固反対」との談話が発表されるなか、「公明党山口代表が今月下旬に中国訪問する方向で調整中」とした一部報道も。後者は「建設的で安定的な日中関係の構築につなげたい考え」などといった声も聞かれるが、訪問のタイミングなどを含め疑問を抱く向きもある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日東京時間に143.89円まで上昇したものの、そののち急反落。NY時間には142.07円と2円近い下げを記録し、そののち本日の東京時間もドルは上値の重い展開が続いている。個人的には、飽くまで調整の範囲内でドル高基調に変化はないと考えているが、米雇用統計の悪化などで142円レベルをクリアに下回ると、足もと140.80-90円で推移する移動平均の21日線を目指した大幅続落も否定できない。
引き続き日米を中心とした金融政策への関心が取り沙汰されるなか、前述したようにここ数日発表される米経済指標は好悪が混在し悩ましい状況だ。そうした環境下、本日のNY時間に発表される米雇用統計が注目を集めていることに間違いなく、その内容如何で荒っぽい価格変動をたどる可能性もある。好数字でドル高という展開はもちろんありうるが、ポジションの偏りなどを加味すると、悪い数字が出た場合のドル売りにより要注意といった声が多い。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨日だけで2円近い変動を記録し、足もとはその2円レンジのなかの動きとなっている。ごく大雑把に言えば142-144円の動きで、米雇用統計の発表という材料があるなか、まずはそれを上下どちらに放れるのかに注目だ。ただ、上放れた場合には年初来高値145.07円が視界内に捉えられるなか、日本当局の円買い介入などにも一応注意をしておきたい。

本日は米経済指標として、7月の雇用統計が発表される予定となっている。なお、もっとも注視されている非農業部門雇用者数はプラス20万人程度、失業率は3.6%が見込まれているようだ。2日に発表されたADP雇用統計は良好だったが、昨日の新規失業保険申請件数は悪化と対照的。本日発表の米雇用統計は果たしてどちらになるのだろうか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.70-143.40円。ドル高・円安方向は本日東京で一度も付けていない143円レベルが最初の抵抗。超えれば昨日高値143.89円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値142.07円をめぐる攻防に注目。底堅そうなイメージもあるが、割り込むと141円前半が視界内に。

雇用データは好悪混在、米雇用統計に注目

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