ドル高基調変わらず、強保ち合い継続か (8/3夕)

3日の東京市場はドルが堅調裡。144円にはとどかなかったが、それでも143.90円近くまで上昇し直近高値を再び更新した。

ドル高基調変わらず、強保ち合い継続か (8/3夕)

ドル高基調変わらず、強保ち合い継続か

〇本日ドル円、レンジ相場の後、日銀の臨時国債買い入れオペ通知を受けて一時円売りが殺到
〇143.90近くまで上昇後落ち着きを取り戻し、16時現在143.60-65で推移して欧米市場を迎える
〇ドル円は年初来高値圏143円台で推移、本邦要人による円安けん制発言などにも要警戒
〇本日発表予定の米7月総合PMI確報、同ISM非製造業総合指数、雇用関連データに注意
〇ドル高・円安方向は本日東京高値の143.90レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、143円レベルが最初のサポート、欧米時間のドル円予想レンジは142.40-143.80

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場はドルが堅調裡。144円にはとどかなかったが、それでも143.90円近くまで上昇し直近高値を再び更新した。

ドル/円は143.30-35円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。143.15-40円といったレンジ取引をたどるなか、日銀が臨時の国債買い入れオペ通知を行ったことで、一時円売りが殺到。ドル/円も143.90円近くへと吹き上がった。ただ、その後は少しずつ落ち着きを取り戻すと、16時現在では143.60-65円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米格付け」と「ロシア情勢」について。
前者は、2日の東京時間早朝に伝えられた格付け機関フィッチによる「米国債の格下げ」がその後も物議を醸す。たとえば、イエレン財務長官からは「フィッチの決定は古いデータに基づいている」としたうえで、「米経済の力強さに照らして不可解だ。決定に強く反対する」と改めて批判するコメントが発せられていた。米政権サイドからの反発は依然として強い。そうしたなか、ロイターはフィッチ幹部への取材として「米国債のさらなる格下げはないとの認識を示した」と報じている。

対して後者は、ウクライナ副首相から「ロシアの無人機攻撃で、アフリカ向けなど約4万トンの穀物に被害が出た」とのコメントが聞かれるなか、ロシア通信も「軍用品などが収容された穀物インフラや海軍の船舶修理場に打撃を与えた」と伝えており、世界から非難の声が高まった。一方、ロシアのプーチン大統領は、トルコのエルドアン大統領と電話会談を行い、条件付きで穀物合意再開をする考えを示したとされるが、問題はその具体的な「条件」。「西側諸国がロシアの穀物輸出に対する義務を果たせば」と述べていたようで、実現は困難との見方が有力だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、7月28日の138.05円を目先安値に右肩上がり。1週間足らずで5円近くも値を上げてきた。上昇スピードの速さやポジションの偏りなどを取り沙汰する声も少なくないものの、「もうはまだなり・まだはもうなり」の相場格言どおりか、なかなかドル高の進行が止まらない。このまま一気に到達するとは思われないがさらなるドル高の進行、145.07円に向けたドル続伸にも一応要注意だ。
市場の関心事項のひとつは、引き続き日米を中心とした金融政策。そうしたなか、短期的には発表される米経済指標、なかでも明日の米雇用統計が注目を集めていることは間違いない。また、それに先んじて発表される本日の米雇用データにも一応要注意。一方、それとは別にドル/円の実勢相場が143円台と年初来高値圏で推移していることもあり、本邦要人による円安けん制発言などにも警戒を強めておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は一時143.90円近くまで上昇し直近高値を更新。基本的なリスクはドル高方向にバイアスが掛かり、年初来高値145.07円も現実的な上値メドとして視界内に。
しかし、水準的には当局の円買い介入警戒レベルに達しているうえ、ポジションも偏ってきたとみられることはやや気掛かり。ドル急反落への備えも一応しておきたい。

本日は米経済指標として、7月の総合PMI確報や同ISM非製造業総合指数が発表される予定となっている。また、昨日発表されたADP雇用統計が良好だったこともあり、本日も新規失業保険申請件数など雇用データが注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.40-143.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の143.90円レベルが最初の抵抗。超えれば145.07円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、143円レベルが最初のサポート。下回ると昨日安値142.24円を目指すが、それでも堅そうなイメージは変わらない。

ドル高基調変わらず、強保ち合い継続か

ドル円日足


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