東京市場は臨時オペで143円88銭まで上昇、為替市場の主役は日銀
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日経平均の一段安のなか、日銀の臨時国債買い入れオペを材料に143円台後半まで買われた。
昨晩の海外時間では、7月のADP雇用者数が前月比32.4万人増加と7月発表と同様、市場予想(同18.9万人増)を大幅に上回る結果となったが、フィッチによる米国債格下げのムードが積極的なドル買いを手控えらせた。前日の高値143円55銭を上抜けられなかったこともあり、米2年債利回りが4.93%台まで拡大したにも関わらず、ドルは小動きとなった。
東京時間もこの流れを引き継ぎ、143円台前半から半ばでのもみ合いとなった。2日同様、株式市場では日本株が総じて売られ、日経平均は2営業日で1300円ほどの下落となったが、為替市場への影響は限定的。日本の長期国債利回りが0.6%台で定着しつつあるなか、午後、日銀が臨時の国債買い入れオペを実施。日銀の金利抑え込みの姿勢が材料視されて143円88銭まで買われた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:143円25銭
高値:143円88銭
安値:143円16銭
終値:143円53銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円78銭
高値:157円24銭
安値:156円61銭
終値:157円02銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:93円72銭
高値:94円08銭
安値:93円53銭
終値:93円88銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円17銭
高値:182円76銭
安値:182円08銭
終値:182円39銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32375円85銭
高値:32467円06銭
安値:32142円25銭
終値:32159円28銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、パネッタECB理事が講演
20時00分、英、英中銀政策金利、前回:5.0%、市場予想:5.25%
20時30分、英、ベイリー英中銀総裁が記者会見
21時30分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:22.1万件、市場予想:22.5万件
22時45分、米、サービス業PMI、前回:52.4、市場予想:52.4
22時45分、米、コンポジットPMI、前回52.0、市場予想:52.0
23時00分、米、製造業新規受注(前月比)、前回:0.3%、市場予想:2.2%
23時00分、米、耐久財受注(前月比)、前回:4.7%、市場予想:4.7%
23時00分、米、耐久財受注(輸送除くコア)(前月比)、前回:0.6%、市場予想:0.6%
23時00分、米、ISM非製造業景気指数、前回:53.9、市場予想:53.1
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、7月6日以降は、6営業日連続陰線示現というきつい下げとなり、バンド下限を下回る場面が見られたものの、100日MA(137円77銭)水準がサポートラインとして意識され反発。足元、頭を押さえられていた20日MA(140円68銭)を上抜いたほか、バンド上限の+2σ(144円00銭)が迫っている。
日足の一目均衡表では、雲上限(142円37銭)水準も上回っており、雲下限までの調整は回避された。遅行スパンは実線よりやや下の水準でもみ合っているが、6月30日の年初来高値(145円08銭)を意識したリバウンドは継続か。
国内の株式市場は、フィッチによる米国債格下げ以降、きつい下げが続いているが、為替市場ではじりじりとしたドル高が継続。7月中旬に100を割り込んでいたドル指数は、足元102.6台まで戻している。本日の東京時間で、8月1日の高値143円56銭を上回ったことから、いよいよ年初来高値145円08銭をターゲットとした展開が現実味を帯びてきた。
一方、ドル上昇には、東京時間での日銀による臨時オペ実施が欠かせない状況になりつつある。本日は、残存期間3年超5年以下の国債を1000億円、5年超10年以下の国債を3000億円買い入れた。日銀が急激な長期金利の上昇を意図しない姿勢を示すことが、足元のドル買いのポイントとなっている。
もちろん、本日のISM非製造業景気指数や明日の米雇用統計など重要な経済指標をウォッチしておく必要はあるが、7月の日銀会合以降、日銀が為替市場の主役と化している。米国経済指標を材料にドルが買われても、本日の高値143円88銭を上回り144円台に乗せるのは明日の東京時間と考える。
今晩の上値メドは本日の東京時間の高値を少し上回る143円90銭、下値メドは本日の安値水準の143円10銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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