東京市場はリスク選好のドル買い続く、長期国債利回りの落ち着きを材料視か?
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本の長期国債利回りが0.6%台前後に留まったことなどが安心材料となり、142円台後半のしっかりとした推移となった。
昨晩の海外時間で発表された米経済指標は、7月のシカゴ購買部協会景気指数が42.8と市場予想(43.2)を下回ったものの、米株高などが材料視されてリスク選好の地合いとなりドルは142円68銭まで上昇。上げ一巡後は142円台半ばでのもみ合いとなったが、落ち着いた動きが見られた。
東京時間は、長期国債利回りの推移を横目に、日経平均はじり高で年初来高値(6月19日の33772円89銭)まで300円ほどの水準まで上昇。長期国債利回りの落ち着きなども材料となり、ドルは昨晩の海外時間の高値をクリアし、142円84銭まで買われた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:142円25銭
高値:142円84銭
安値:142円24銭
終値:142円80銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円50銭
高値:157円05銭
安値:156円47銭
終値:157円04銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円56銭
高値:95円78銭
安値:95円08銭
終値:95円30銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円61銭
高値:183円21銭
安値:182円60銭
終値:183円12銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33292円31銭
高値:33488円77銭
安値:33203円88銭
終値:33476円58銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ユーロ圏失業率、前回:6.5%、市場予想:6.5%
22時45分、米、製造業PMI、前回:49.0、市場予想:49.0
23時00分、米、JPLTS求人件数、前回:982.4万人、市場予想:965.0万人
23時00分、米、ISM製造業景気指数、前回:46.0、市場予想:46.8
23時00分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がイベントにて開会挨拶
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、7月6日以降は、6営業日連続陰線示現というきつい下げとなり、バンド下限を下回る場面が見られたものの、100日MA(137円57銭)水準がサポートラインとして意識され反発。足元、頭を押さえられていた20日MA(140円73銭)を上抜いている。
日足の一目均衡表では、雲上限(141円62銭)水準も上回っており、雲下限までの調整を回避。遅行スパンは実線を下回っているが、7月7日以来の143円台回復を意識したリバウンドが続いている。
米2年債利回りは4.8%台で推移しており、米金利が拡大するような気配は見られない。年内の追加利上げを予測する市場関係者の割合は3割ほどのままで、7月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の「ややハト派」の余韻は色濃く残っている。一方、7月28日の日銀金融政策決定会合後、日本の長期国債利回りは0.45%水準から0.6%水準と明らかに拡大した。つまり日米金利差は拡大ではなく縮小に向かっているのだが、ドルは142円台後半まで戻している。
もしかしたら日本の長期国債利回りが0.6%水準に留まっているのが材料視されているのかもしれない。もしくは、「展望リポート」で24年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の見通しを1.9%、25年度を同1.6%と物価安定の目標である2.0%を下回る見通しを日銀が持っていることから、「日銀は金融緩和を継続する」という市場心理が足元のドル上昇の背景かもしれない。
単純に足元の戻り高値を上回ったので、6月30日の年初来高値145円08銭を目指しているだけという考え方もできよう。ただ、黙って付いていけば2円ぐらいは抜けるとの考えはあるものの、妙な違和感は残るので様子見が無難か。
今晩のドルは、143円台に乗せる場面が見られるかもしれないが、違和感満載で手掛けにくい地合いと考える。上値メドは143円00銭、下値メドは142円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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