乱高下継続か、落ち着きどころ探る
〇本日のドル円、日銀会合結果を受け一時大荒れの様相、138-141円レンジで激しい変動をたどる
〇日銀が会合結果として、「金融緩和の維持」ならびに「YCC政策運用の柔軟化」を発表
〇ドル円相場は本日3円程度の乱高下をたどるも、137.25-141.95のワイドレンジ内にはとどまる
〇しばらくは138-140円を中心に、落ち着きどころを探る展開が続く可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジは138.70-140.30、ドル高・円安方向は139.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、139円割れ、138円後半あたりが底堅くなってきた感
<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場は大荒れの様相。日銀会合結果を受け、ドル/円相場は3円程度とかなり激しい上下動を記録している。
ドル/円は139.45-50円で寄り付いたのち、日銀会合待ちで当初は揉み合い。しかし昼過ぎ、日銀が会合結果として「金融緩和の維持」ならびに「イールドカーブコントロール(YCC)政策運用の柔軟化」発表などを受けて、一時大荒れの様相に。短時間のあいだに138-141円の3円レンジで激しい変動をたどっていた。16時現在では寄り付きに近い139.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、28日の日経新聞電子版が「日銀が今回の金融政策決定会合でYCCの修正案を議論する方針」などと報じ物議を醸す。一時141円台まで値を上げていたドル/円は報道を受けて急反落。NYクローズでも140円を割り込んでいる。そののち、実際の日銀会合において日経報道とほぼ同じような内容となったことをめぐり、市場は思惑が交錯。為替市場もさることながら、株式市場も大荒れに。日経平均は一時800円を超す下げとなったが、のちに買い戻され大引けは131円安にとどまった。なお、夕方には植田日銀総裁が会見を行い「粘り強く金融緩和を継続する必要がある」、「基調的な物価2%へ距離あるとの判断変えていない」などと述べていたという。
対して後者は、ウクライナ大統領が「東部ドネツク州の集落をロシアから奪還した」ことを明らかにするなか、北朝鮮を訪問中のロシアのショイグ国防相が金総書記と会談を行い関係強化で一致したと発表されている。また、金総書記はロシアによるウクライナ侵攻の支持を改めて表明していたようだ。一方、それとは別に開幕したロシア・アフリカサミットの冒頭、プーチン大統領は、アフリカ諸国で食糧危機の懸念が高まっているのはすべて西側諸国のせいだとする持論を展開していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先でも指摘したように本日東京時間に3円程度という激しい乱高下をたどるも、過去2週間ほど推移している137.25-141.95円とかなりワイドなレンジ内にはとどまった。また移動平均では200日線が下値をガッチリとサポートする反面、上値は21日線に抑えられている。油断は禁物だが、いましばらくは138-140円を中心に落ち着きどころを探る展開が続く可能性もある。
市場の注目を集めていた日米欧の金融政策だが、その掉尾を飾る格好で本日東京時間に日銀が「金融緩和の維持」ならびに「YCC政策運用の柔軟化」と発表している。しかし、その後の植田総裁発言はというと「粘り強く金融緩和を継続する必要がある」などといったもので、従来の考えを踏襲していた。拙速な政策転換もなかなか予想しにくい。飽くまでも金利面に着目しての話だが、円はやはり売られやすい状況が続いても不思議はないだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日欧米時間から本日東京にかけてかなり荒っぽい変動をたどるも、137.25-141.95円のワイドレンジ内には踏みとどまった。そうした意味では方向性はまだ明確ではなく、足もとのワイドレンジを上下どちらに抜けていくのか、その方向性にまずは注目だ。しかし、折しも本稿執筆時のレートは139円前半で、中間地点に近い。居心地の良いレンジであると判断されれば、思いのほかステイが長期する可能性もある。
本日は米経済指標として、6月のPCEデフレーターや7月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表されるうえ、引き続き気になる米企業決算の発表も予定されている。また最終日を迎える前述したロシア・アフリカサミットにも一応要注意か。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-140.30円。ドル高・円安方向は139.80円レベルが最初の抵抗で超えれば140円台回復も。ただ、移動平均の21日線は少し遠いかもしれない。
対するドル安・円高方向は、本日安値139円割れ、138円後半あたりが少しずつ底堅くなってきた感あり。しかし、それでも下回ると東京安値の138.05-10円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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