ドル円、日経新聞によるYCC修正案に関するサプライズ記事を受けて一時138円台後半へ急落(7/28朝)

27日(木)のドル円相場は乱高下。

ドル円、日経新聞によるYCC修正案に関するサプライズ記事を受けて一時138円台後半へ急落(7/28朝)

日経新聞によるYCC修正案に関するサプライズ記事を受けて一時138円台後半へ急落

〇ドル円、2QGDP等の米指標の好調に23時過ぎに高値141.32まで急伸後、一時138.76まで急落
〇日経新聞、日銀策決定会合でYCC修正が議論され、長期金利の操作の上限が柔軟化されると報道
〇ユーロドル、ECB声明文のタカ派色の弱まり、ラガルド総裁の慎重発言に1.0965まで急落
〇ドル円、一目均衡表の「雲」上限下抜け地合いの悪化警戒される
〇ファンダメンタルズは米9月利上げ観測再浮上や、日銀の緩和政策継続観測等がドル円を支持
〇本日日銀会合結果、総裁会見に注目、長期金利上限運用緩和は中途半端。円買いは一時的か
〇乱高下必至となるため、ボラティリティの拡大に要警戒
〇本日の予想レンジ:138.00ー142.00

海外時間のレビュー

27日(木)のドル円相場は乱高下。(1)パウエルFRB議長による「9月は利上げ見送りの可能性もある」とのハト派発言や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)日銀金融政策決定会合を控えたポジション調整が重石となり、アジア時間午前中に、一時139.38まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、(5)米新規失業保険申請件数(結果22.1万件、予想23.4万件)の良好な結果、(6)米第2四半期GDP速報値(結果+2.4%、予想+1.8%)の力強い結果、(7)米6月耐久財受注(結果4.7%、予想1.1%)の市場予想を上回る結果、(8)米6月住宅販売保留指数(結果+0.3%、予想▲0.5%)の市場予想を上回る結果、(9)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(10)欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、

(11)対ユーロでのドル買い圧力が支援材料となり、日本時間23時過ぎに、高値141.32まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(12)日本経済新聞社による「28日に開く金融政策決定会合でYCCの修正案を議論する」「長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上している」とのサプライズ的な観測記事や、(13)上記12を背景とした円キャリートレードの巻き戻しが重石となり、米国時間午後にかけて、安値138.76まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/28午前5時55分現在)では、139.53前後で推移しております。

27日(木)ユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)ECB理事会を控えたポジション調整、(3)ドイツ8月GFK消費者信頼感(結果▲24.4、予想▲24.8)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1150まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)ECB理事会・声明文で前回用いられた「インフレ率を十分に低下させる水準に金利を迅速に持っていく必要がある」との文言が削除され、新たに「金利は必要な限り十分に制限的な水準に設定されることになる」との見解が示されたことや、(5)ラガルドECB総裁による「短期的な景気見通しは悪化」「サービス業の勢いは減速し製造業も弱い外需によって抑制されている」との慎重な発言、(6)上記4、5を背景としたECBによる金融引き締め休止観測、(7)米経済指標の力強い結果、(8)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0965まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/28午前5時55分現在)では、1.0975前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は日本経済新聞社によるサプライズ的な観測記事を受けて、米国時間午後にかけて急落しました。これまでサポートとして機能してきた一目均衡表雲上限も下抜けするなど、地合いの悪化が警戒されます。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)米FRBによる金融引き締め長期観測(注目された米FOMCで次回9月利上げの有無はデータ次第とのスタンスを改めて強調→昨日発表された米経済指標は軒並み力強い結果→9月利上げ観測再浮上→米長期金利上昇→米ドル買い)や、(2)日銀による金融緩和の継続観測(植田日銀総裁によるこれまでの発言や、ブルームバーグによる観測記事などを踏まえると、日銀は金融緩和の修正を見送る公算大)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード継続期待、(4)株式市場の堅調推移(米長期金利が上昇しても米主要株価指数が底堅さを維持→リスク選好の円売り要因)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記2を見極める意味で、日銀金融政策決定会合や、植田日銀総裁記者会見に注目が集まります。日本経済新聞社によるサプライズ報道によると、長期金利操作の上限を0.5%に据え置きつつも、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることを容認する案が浮上していると述べられていますが、当該措置が講じられたとしても、中途半端な措置に映る可能性が高く、円買いでの反応は限定的なものに留まると予想されます(むしろ、金融緩和の修正に踏み切ることが難しいのではないかとの思惑・憶測から一巡後に怒涛の円売りに繋がる恐れあり)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(乱高下必至となるため、ボラティリティの拡大に要警戒)。尚、本日は上記日銀金融政策決定会合以外に、米6月PCEデフレーター(21:30)や、米7月ミシガン大学消費者信頼感指数(23:00)などにも注目が集まります。

本日の予想レンジ:138.00ー142.00

注:ポイント要約は編集部

日経新聞によるYCC修正案に関するサプライズ記事を受けて一時138円台後半へ急落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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