東京市場のドルは141円を挟んだもみ合い、可能性は低いがドル上放れに期待(23/7/26)

東京時間のドル・円は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表、及びパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を控え、様子見姿勢の強い地合いとなった。

東京市場のドルは141円を挟んだもみ合い、可能性は低いがドル上放れに期待(23/7/26)

東京市場のドルは141円を挟んだもみ合い、可能性は低いがドル上放れに期待

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表、及びパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を控え、様子見姿勢の強い地合いとなった。

昨晩の海外時間は、7月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が117.0と市場予想(111.9)を上回る結果となったが、強いドル買いは入らず。日米欧の金融政策発表を控えている状況下、積極的な売買は手控えられ、ドルは141円台前半でのもみ合いとなった。

東京時間も海外時間同様、様子見姿勢の強い展開となり、ドルの日中値幅は34銭とトレードチャンスに欠ける一日となった。また、欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表も明日27日(木)に控えていることから、ユーロも売買は手控えられた。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:140円92銭
高値:141円19銭
安値:140円85銭
終値:140円95銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:155円74銭
高値:155円99銭
安値:155円67銭
終値:155円93銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円62銭
高値:95円72銭
安値:94円98銭
終値:95円31銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円73銭
高値:181円95銭
安値:181円64銭
終値:181円85銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32704円96銭
高値:32724円25銭
安値:32488円52銭
終値:32668円34銭

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

23時00分、米、新築住宅販売件数、前回:76.3万件、市場予想:72.0万件
23時30分、米、原油在庫(前週比)、前回:−70.8万バレル、市場予想:−230.0万バレル
27時00分、米、FRB政策金利(上限)、前回:5.25%、市場予想:5.5%
27時30分、米、パウエルFRB議長記者会見

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、7月6日以降は、6営業日連続陰線示現というきつい下げとなり、バンド下限を下回る場面が見られたものの、100日MA(137円31銭)水準がサポートラインとして意識され反発。足元、20日MA(141円41銭)に頭を押さえられた格好となっている。

日足の一目均衡表では、雲上限(139円97銭)水準がサポートとして意識されている様子。遅行スパンは実線と重なっておりトレンドは弱いが、142円89銭まで切り上がっていく雲上限が意識されると反発余地はもう少しありそうだ。

今回のFOMCで0.25%の利上げを発表することは、100%近い割合で市場が織り込んでいることから、27時時点のFOMC声明のタイミングでドルは動かないと考える。要注目は、その後のパウエルFRB議長の記者会見だ。6月のFOMCでは、政策金利見通し(中央値)を5.1%から5.6%に引き上げ、年内に0.25%の追加利上げを2回織り込む水準とした。この見通しに対して、市場は懐疑的にみており、CMEグループが算出するFed Watchでも、7月FOMC後、9月以降の会合で追加利上げに踏み切るとの思惑はさほど高まっていない。

とはいえ、最新のFed Watchでは、7月より金利水準が高くなる確率は、9月が20%、11月が39%、12月が35%とそれなりに追加利上げを見込む市場関係者は存在する。仮に、パウエルFRB議長が「年内追加利上げの可能性」を明確に打ち消さなかった場合は「今後の追加利上げ実施を改めて期待→米金利が上昇→ドル買いが進む」といった流れが起きる可能性は低いながらもあろう。

さすがに、この一か月の重要な米経済指標の結果や、投機筋の終わった感漂うムードなどを考慮すると、「今後のデータ次第ではあるが、追加利上げ実施の可能性もありうる」とこれまでのような表現に留まり「ドルの動きは限定的」を想定するのが正しい考えかもしれない。

ただ、6月FOMCで引き上げた政策金利見通しをすぐに修正するとは考えにくいことから、パウエルFRB議長の発言を受けて、日足の一目均衡表の雲上限や、20日MAなどをサポートとした強いドル買いの地合いは期待したい。消費者物価指数の鈍化を背景とした「インフレ終息の方向性」を、パウエルFRB議長がどのような文言で表現するのか非常に楽しみである。

今晩のドルは、可能性は低いながらもドル上昇の展開を想定しておきたい。上値メドは7月10日以来の水準である142円50銭、下値メドは心理的な節目でもある140円00銭とする。

東京市場のドルは141円を挟んだもみ合い、可能性は低いがドル上放れに期待

ドル円日足

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