ドル円、重要イベントを控え上値の重い展開が継続。本日は米FOMCに注目
〇ドル円、米長期金利の上昇に米国時間朝方に141.73まで上昇後、一時140.85まで下落
〇142円を前にした戻り売り、イベント前ポジション調整、米長期金利の上げ幅縮小等が重石に
〇ドル円、「雲」上限が下方より上昇中、強気のパーフェクトオーダーも継続点灯、下値余地乏しいか
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑がサポート
〇明日未明のFOMC結果公表、0.25%利上げは織り込み済み、声明文・議長記者会見に注目集まる
〇年内追加利上げ織り込み開始による、FOMC後の反発警戒
〇本日の予想レンジ:140.25ー142.25
海外時間のレビュー
25日(火)のドル円相場は冴えない動き。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが7/12以来となる3.92%へ急上昇)を背景に、米国時間朝方にかけて、高値141.73まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(2)心理的節目142.00をバックにした戻り売り圧力の高まり(7/21高値141.97、7/24高値141.82、7/25高値141.73といずれも心理的節目142.00を超えられず失速)や、(3)重要イベント(米FOMC、ECB理事会、日銀金融政策決定会合)を控えたポジション調整、(4)ロンドンフィキシングに絡むドル売りフロー、(5)米長期金利の上昇幅縮小が重石となり、米国時間午後にかけて、安値140.85まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/26午前5時40分現在)では、140.96前後で推移しております。尚、昨日発表された米7月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果117.0、予想111.9)、米7月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲9、予想▲10)はいずれも市場予想を上回る結果となりましたが、ドル買いでの反応は限定的となりました。
25日(火)ユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間夕方にかけて、高値1.1087まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)ドイツ7月IFO景況感指数(結果87.3、予想88.0)の冴えない結果、(3)重要イベント(ECB理事会)を控えたポジション調整(ECBによる金融引き締め打ち止め観測)、(4)米経済指標の良好な結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1021まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/26午前5時40分現在)では、1.1054前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は心理的節目142.00トライに3営業日連続で失速すると、重要イベント前のポジション調整も相俟って、一時140.85まで反落しました。但し、ダウンサイドより一目均衡表雲上限が急ピッチに切り上がってきていることや、強い買いシグナルを示唆する強気のパーフェクトオーダーが継続点灯していること等を踏まえると、テクニカルに見て、下値余地は乏しいと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測や、(2)日銀による金融緩和の継続観測(今週末の日銀金融政策決定会合で金融緩和の修正を見送る公算大)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
こうした中、本日は上記1を見極める意味で、日本時間7/27早朝3時00分に発表される米FOMC声明文と、同3時30分から始まるパウエルFRB議長記者会見に注目が集まります。25bpの利上げ(5.00ー5.25から5.25ー5.50へのFF金利引き上げ)はほぼ100%織り込まれているため、市場参加者の関心は、声明文やパウエルFRB議長記者会見に移っています。直近の米雇用情勢が安定していることや、消費者物価指数の食品とエネルギーを除くコア指数が高止まっていること等を踏まえると、このタイミングで利上げ打ち止めを示唆する可能性は低く、声明文・パウエルFRB議長記者会見共に、年内追加利上げの可能性を残す(データ次第としつつも、年内追加利上げの可能性を否定しない)と考えられます。市場の反応は「米FRBによる年内追加利上げの織り込み再開→米長期金利上昇→米ドル買い」の波及経路が想定されるため、ドル円は米FOMC後に反発に転じる展開が警戒されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:140.25ー142.25
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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