日米金利差拡大で一時140円台半ばへ急伸。良好なイニシャルクレイムもドル円を下支え
〇ドル円、米国時間に140.51まで急伸、140円台での推移
〇日銀の金融緩和の修正観測の後退、米新規失業保険申請件数の良好な結果、株価の堅調等が支持
〇フィラデルフィア連銀製造業景況指数、景気先行指数、中古住宅販売の不冴えには反応薄
〇ユーロドル、ECBの金融引き締め休止観測や米長期金利上昇に米国時間に安値1.1118まで急落
〇ドル円、一目均衡表雲がサポートとして機能、買いシグナルも継続し、地合い好転期待される
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑がサポート
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、本日本邦CPI以外はイベントなく静かな展開か
〇本日の予想レンジ:139.50ー141.00
海外時間のレビュー
20日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値139.12まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)日銀による金融緩和の修正観測の後退や、(2)上記1を背景とした円キャリートレード再開の思惑、(3)米新規失業保険申請件数(結果22.8万件、予想24.0万件)の良好な結果、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(5)欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(6)心理的節目140.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国勢参入後に、高値140.51まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/21午前5時25分現在)では、140.07前後で推移しております。尚、昨日発表された米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果▲13.5、予想▲10.0)、米6月景気先行指数(結果▲0.7%、予想▲0.6%)、米6月中古住宅販売件数(結果416.0万件、予想421.0万件)はいずれも市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。
20日(木)のユーロドル相場は高値圏から急反落。アジア時間朝方にかけて、高値1.1229まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ECBによる金融引き締め休止観測や、(2)上記1を背景とした対主要通貨でのユーロ売り圧力、(3)米新規失業保険申請件数の良好な結果、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1118(7/12以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/21午前5時25分現在)では、1.1130前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は7/14に記録した安園137.25をボトムに反発に転じると(90日移動平均線や200日移動平均線に下支えされる形で切り返すと)、昨日は一時140.51まで急伸しました。一目均衡表雲上限がサポートとして確り機能していることや、強い買いシグナルを示唆する強気のパーフェクトオーダーが継続していること、1時間足などの下位足で強い買いシグナルが成立したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いの好転が期待されます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測の再燃(昨日発表された米新規失業保険申請件数が良好な結果→米長期金利急上昇)や、(2)日銀による金融緩和の継続観測(植田日銀総裁による「持続的、安定的な2%のインフレ達成にはまだ距離がある」との発言を受けて、7/28に予定されている日銀金融政策決定会合でのイールドカーブコントロールの修正観測が後退→金融緩和の修正を織り込む形でここ数週間進められてきた円買いの流れが終了)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開の思惑など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
株式市場の堅調さもリスク選好の円売りを通じて、ドル円を下支えすると見られることから、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は6/30高値145.07と7/14安値137.25を起点としたフィボナッチ半値戻し141.16を試す動きを想定)。尚、本日は日本時間8:30に予定されている本邦6月全国消費者物価指数以外に目立った経済イベントが予定されておらず、また来週に米FOMCや日銀金融政策決定会合などの重要イベントが目白押しということもあり、アジア時間、欧米時間を通して、新規材料難と様子見ムードの組み合わせで静かな動きが続きそうです。
本日の予想レンジ:139.50ー141.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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