ドル下落基調も一服、目先は保ち合いか(7/19夕)

19日の東京市場もドルが堅調裡。一時139円半ばを付け、1週間ぶりの高値を示現している。

ドル下落基調も一服、目先は保ち合いか(7/19夕)

ドル下落基調も一服、目先は保ち合いか

〇本日のドル円、寄り付き138.80レベルを日中安値に緩やかな右肩上がり一時139.70近くまでじり高推移
〇来週の日銀会合での修正期待後退で、ドル買い円売りが目立ち16時現在は少し緩んだ139.40レベル
〇テクニカルには、200日MAなどに支えられドルの下落基調も一服か
〇月末にかけ140円超えが推測される一目均衡表先行帯の雲の動きに日足がどう絡むかは要注視
〇本日は6月住宅着工件数などの米経済指標や、ゴールドマン・サックスなど米企業の決算も発表予定
〇ドル高・円安方向は本日東京高値139.70レベルが最初の抵抗、超えると140円台乗せも
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値138.75レベルの攻防に注目。割り込んでも下値は堅そう
〇欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-140.10

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場もドルが堅調裡。一時139円半ばを付け、1週間ぶりの高値を示現している。

ドル/円は寄り付いた138.80円レベルを日中安値に、緩やかな右肩上がり。値動きそのものは決して大きくなかったが、139.70円近くまでドルはじり高推移をたどっていた。簡単に言えば、「寄り付き安・大引け高」の流れ。来週予定されている日銀会合での「修正」期待が後退し、ドル買い・円売りが目に付いていたようだ。16時現在、ドル/円は少し緩んだ139.40円レベルで推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策など」と「ロシア情勢」について。
前者は、G20財務相・中銀総裁会議の終了後に植田日銀総裁が「物価目標の前提が変わらなければ、粘り強く金融緩和を続ける姿勢も変わらない」などと発言し、話題に。海外勢を中心に期待感が強まっていた「イールドカーブコントロール(YCC)」の修正観測に冷や水が浴びせられた格好で、為替市場においても巻き戻し的なドル買いが優勢になっているようだ。
一方、それとは別に同じ会議に出席していた鈴木財務相からは「世界経済の下振れリスクで認識を共有した」、「為替についてのコミットメントを再確認した」とのコメントが聞かれていたようだ。

対して後者は、17日にロシアが発表した「ウクライナ産穀物の輸出合意離脱」について、引き続き各国から非難の声などが相次いでいた。たとえば、議長国であるインドによると、先で取り上げたG20財務相・中銀総裁会議でも「一部の参加国から離脱を非難する声が聞かれた」という。なお、そうしたなかロシアとトルコの外相が電話協議を行い「穀物合意停止について議論した」とされるほか、一部報道によると、国連はロシア抜きの穀物輸出代替案を検討しているとされる。後者を中心に、続報にも注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

6月末高値145.07円を起点に137.25円まで8円近い下押が入っていたドル/円だが、そののち再びドル高・円安に振れると本日東京では一時139.70円近くへと値を戻している。ドルの上値も重そうだが、下値も堅そう。移動平均ではザラ場ベースで137円前半に位置する移動平均の200日線に迫る局面も見られたが結局届かず。逆にドルの底堅さを確認したと言えるかもしれない。油断は禁物だが、しばらくは138-139円台を中心とした保ち合い相場か。

市場は引き続き日米金融政策への関心が高いなか、前述したように植田日銀総裁の発言もあり、「7月の日銀修正」期待は大きく後退した感がある。個人的には、そもそも論として何故あれだけ強気の修正期待を抱いていたのか謎なのだが、ともかく短期的にはドル/円などがもう少し戻しても不思議はないかもしれない。なお、米国については発表される経済指標が依然として警戒されているほか、昨日NYダウが大幅高をたどったこともあり、米株に対する関心も高そうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は移動平均の200日線などに支えられる格好で、ドルの下落基調も一服か。上値も重そうだが、下値も堅そう。
ただ若干気になるのは、一目均衡表の先行帯の雲をめぐる動き。ここ数日、雲の上限は138円台前半から半ばに位置しており、日足はそれに絡む動きをたどるも、割り込むまでには至っていない。しかし雲の上限は今後上昇し、月末にかけては140円を超えてくると推測されている。一連の動きのなかで、日足は如何なる動きをたどるのか、動静が注視されていることは間違いない。

本日は米経済指標として、6月の住宅着工件数などが発表されるほか、ゴールドマン・サックスなど米企業の決算発表も少なくない。そのほか決まり物はそれほど多くはないものの、ロシアによる「穀物輸出合意離脱」の続報などには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-140.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値の139.70円レベルが最初の抵抗。超えると140円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の138.75円レベルの攻防にまずは注目。割り込んでも下値は堅く、限られそうだ。

ドル下落基調も一服、目先は保ち合いか

ドル円日足

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