ドルは139円台半ばで推移、買戻しメドは38.2%戻しの140円23銭水準か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁のコメントを受けて、7月末の日銀会合では現状の金融政策を維持するとの見方が強まったことから、ドルは139円台を回復した。
昨晩の海外時間に発表された6月の米小売売上高は、伸びが前月比0.2%増と市場予想(同0.5%増)を下回ったものの、家計支出の基調的な指標では消費の堅調さが増したことを示唆するなどまちまちの結果となった。ただ、G20にて、植田日銀総裁が「日銀が目指す持続的・安定的な2%の物価目標までに距離があるとの認識に変化がなければ、粘り強く金融緩和を続ける姿勢も変わらない」との見解を示したことから、7月27日−28日の会合での現状の金融政策維持の観測が強まったことから、ドルは139円台を回復した。
東京時間もこの流れは継続し、ドルはじりじりと上昇。ドル指数も100台を回復したほか、日経平均も続伸し高値引けとなるなどリスク回避の流れがいったん払拭されたことから、ドルは139円台半ばまで買われた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:138円91銭
高値:139円45銭
安値:138円85銭
終値:139円36銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円02銭
高値:156円59銭
安値:155円94銭
終値:156円57銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円72銭
高値:94円84銭
安値:94円45銭
終値:94円72銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円15銭
高値:181円63銭
安値:181円02銭
終値:181円56銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32812円36銭
高値:32896円03銭
安値:32671円03銭
終値:32896円03銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、住宅着工件数、前回:163.1万件、市場予想:147.5万件
21時30分、米、住宅建築許可件数、前回:149.6万件、市場予想:149.8万件
21時30分、米、住宅着工件数(前月比)、前回:21.7%、市場予想:−9.4%
21時30分、米、住宅建築許可件数(前月比)、前回:5.6%、市場予想:0.1%
23時30分、米、原油在庫(前週比)、前回:594.6万バレル、市場予想:−245.0万バレル
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、7月6日以降は、陰線が6営業日並ぶきつい下げとなり、バンド下限を下回る場面が見られたものの、100日MA(137円09銭)水準で下げ止まっている。
日足の一目均衡表では、雲上限(138円43銭)水準がサポートとして意識されている様子。ただ、遅行スパンは実線を下抜け陰転しておりトレンドは弱い。今後、雲上限が142円台まで上昇するが、遅行スパンは陰転したままとなる公算が大きいことから手掛けにくい地合いとなろう。
昨晩の植田日銀総裁のコメントが材料視されたように、7月27日から28日に開催される日銀金融政策決定会合までは、様々な要人発言や観測記事が売買材料とされよう。今週末の21日8時30分に全国消費者物価指数(CPI)が発表されることから、CPI発表後は、CPIの結果を巡る思惑先行の地合いとなりそうだ。
6月の生鮮食品を除くコアCPIは前年同月比3.3%上昇と、電気料金値上げを主因に前月(同3.2%上昇)の伸び率を上回るとの見通し。また、エネルギーを除いたコアコアCPIも同4.2%上昇見込みと、日銀が掲げる物価目標2%をいずれも大きく上回っている。日銀は物価上昇率が今年度後半には2%を下回ると予測していることから、今回のCPIで、日銀が予想している物価上昇率の減速を示すような内容となるかが、7月会合での金融政策転換の有無のポイントとなろう。
今晩のドルは、植田日銀総裁のコメント効果の余韻などから、7月6日以降のドル売りに対する買戻しが入ると想定。本日の上値メドは、6月30日につけた年初来高値145円08銭から7月14日安値137円24銭の下落幅(7.84円)の38.2%戻し水準の140円23銭、下値メドは東京時間の安値である138円85銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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